2019年10月、ワールドカップのラグビー開催で連日盛り上がっている頃、電子部品の店として有名な秋月電子通商でワイヤレスLEDのパーツを売っていることを知りました。
スマホで使われているワイヤレス充電とは仕組みが違うようですが、まずは、実際に試してみようと思い、ワイヤレスLEDの部品を購入して実験した結果についてまとめています。
この記事で紹介しているリード線付きチップLEDを使うと、ワイヤレス給電を利用してガンプラにチップLEDを組み込むこともできそうです。2022年11月、インダクターが生産終了となっているとのお問い合わせを頂き、代替品について追記しました。
写真のできがいま一つで、こちらも勉強しないといけないようです。
ガンプラの電飾については、PGユニコーンガンダムのLEDキットについて、以下の記事で紹介しましたが財布には厳しい。ワイヤレスLEDを安く実現できるのであれば、ガンプラの電飾(LED組み込み)を私でもできるかもしれません。
ワイヤレス給電ユニットと実験条件
秋月電子通商でワイヤレスLED給電ユニット(下図)とワイヤレスLEDを購入しました。
ワイヤレスLED給電ユニットには、手持ちの5VのACアダプタを使っています。
仕様に駆動周波数が60(kHz)とあるので、ACアダプタからのDC5Vを交流でコイルに加えているようです。
図1 ワイヤレス給電ユニット
早速、ワイヤレスLEDの点灯実験を以下の3通りの組み合わせで行いました。
- ワイヤレスLED
- φ3のLEDとインダクタの組み合わせ
- チップLEDとインダクタの組み合わせ
使用した部品の詳細は、最後にまとめておきます。
ワイヤレスLEDでの実験
ワイヤレスLED給電ユニットに、5VのACアダプタを接続します。
ワイヤレスLEDを並べたところが、以下の写真です。
コイルの大きさ:外径38(mm)、内径30(mm)
ワイヤレスLEDの大きさ:外径4.8(mm)、高さ5(mm)
図2 ワイヤレス給電ユニットとワイヤレスLED
ワイヤレスLED給電ユニットに、5Vを加えると、下の写真のようにワイヤレスLEDが点灯しました。
下図の通り、給電ユニット(コイル)の内側にワイヤレスLEDを置くと点灯、コイルの外側ではワイヤレスLEDは点灯しません。
図3 ワイヤレスLED点灯状態
ワイヤレスLEDをワイヤレス給電ユニット中心に置き、上方にどの程度離せるかの実験をしてみました。
給電ユニットから離すにと光が弱くなり、消えてしまいます。下図の通りお試しレベルの実験ですが、給電ユニットに5Vを加えた場合20mm弱まで離すことができました。
図4 ワイヤレス給電ユニットの上方に浮かせた状態
Φ3のLEDとインダクタを使った実験
秋月電子通商のワイヤレスLEDのページに、ワイヤレスLEDの自作に挑戦とインダクタとチップLEDの組み合わせ例が載っています。
折角なので、通常のLED(直径3mmのLED)も加えて、ワイヤレスLEDの自作に挑戦(実験)してみました。
使用した部品は、下図の通りです。
- インダクターの大きさ:Φ9x9.5(mm)
- ワイヤレスLEDのチップサイズ:長さ1.6x幅0.8x高さ0.6(mm)
- チップLEDのサイズ:長さ1.6x幅0.8
- チップLEDのリード線径:Φ0.16(mm)
図5 自作のワイヤレスLEDの部品
以下に、インダクターとΦ3のLEDを使ったワイヤレスLEDの実験結果を示します。
インダクターをワイヤレス給電ユニットの中央に置き点灯させた状態から、徐々に上方に浮かせていきます。
図6 Φ3のLEDを使った場合:点灯状態
インダクターを上方に浮かせていくと、LEDの光が弱くなってきます。
図7 Φ3のLEDを使った場合:インダクターを浮かせた状態
正確な値ではありませんが、ワイヤレスLEDと同様に20(mm)弱程度のところで消灯しました。
図8 Φ3のLEDを使った場合:消灯した状態
チップLEDとインダクタを使った実験
秋月電子通商のワイヤレスLEDのページに載っている、「ワイヤレスLEDの自作に挑戦」と紹介されているインダクタとチップLEDを使いΦ3のLEDと同様の実験を行いました。
実験そのものは難しいものではありませんが、Φ0.16のリード線は見た目以上に細く、チップLEDに無理な力が加われば簡単に外れてしまいそうでドキドキしながらの実験でした。
以下に、インダクターとチップLEDの実験結果を示します。
インダクターをワイヤレス給電ユニットの中央に置き点灯させた状態から、徐々に上方に浮かせていきます。
図9 チップLEDを使った場合:点灯状態
インダクターを上方に浮かせていくと、LEDの光が弱くなってきます。
図10 チップLEDを使った場合:インダクターを浮かせた状態
正確な値ではありませんが、ワイヤレスLEDと同様に20(mm)弱程度のところで消灯しました。
チップLEDがボケていますね。早く結果を見たかったとはいえ、やっつけ仕事はよくないなと反省してます。
図11 チップLEDを使った場合:消灯した状態
考察:ワイヤレスLEDが点灯する理由
考察と言うほどのものではありませんが、この記事で紹介したワイヤレスLEDは、以下の流れで点灯すると考えています。
-
- コイルに電圧をかける。
- 給電側(ワイヤレス給電ユニット)のコイルに磁力(磁束)が発生する。
- 受電側(ワイヤレスLED)のコイルで磁力(磁束)を受けて、電流が発生する。
- LEDが点灯する。
受電側のインダクターの電圧を計ってみたところ、約2(V)の交流が出力されているようです。
手持ちの導通チェック用のアナログテスタなので、あくまで参考値です。
ワイヤレスLEDが点灯するのは、トランスの1次コイルと2次コイルによる電磁誘導と同じ原理で点灯すると考えています。
1次コイル→ワイヤレスLED給電ユニット
2次コイル→ワイヤレスLED
トランスについては、以下の記事をご参照ください。
実験に使用した部品の紹介
2019年11月現在の情報です。
購入の際は、秋月電子通商のホームページをご確認ください。
秋月電子通商<http://akizukidenshi.com/>
品名 | 通販コード | 価格(税込) |
---|---|---|
ワイヤレスLED給電ユニット OSWPTS1208D |
M-14405 | 1個 ¥430 |
ワイヤレスLED 白色 OSWM43-W5W (5個入) |
M-14404 | 1パック ¥250 |
インダクター(100μH 0.79A) LHL08NB101K |
P-04807 | 1個 ¥30 |
表面実装用ウォームホワイト色LED(リード付) | I-09961 | 1個 ¥40 |
以下は、手持ちの物を使用しました。
- 5VのACアダプタ
インダクターの代替品情報(2022年11月現在)
2022年11月、この記事で使用したインダクターが販売終了となっているとの情報を頂き、代替品について追記します。
以下、秋月電子通商のホームページの「ワイヤレスLED給電ユニット OSWPTS1208D(通販コード M-14405)」から引用します。
品名 | 通販コード | 価格(税込) |
---|---|---|
インダクター(100μH 0.9A) RCH895NP-101K |
P-16967 | 1個 ¥60 |
表面実装用ウォームホワイト色LED(リード付) OSMW1608C1A-W25 |
I-09961 | 1個 ¥60 |
無極性3mm白色LED OSWWY23131E |
I-13663 | 1個 ¥30 |
まとめ
電子部品で有名な秋葉原の秋月電子通商でワイヤレス給電ユニットとワイヤレスLEDをみつけ、ガンプラの電飾に使えないかと、早速部品を購入して実験した結果をまとめました。
ワイヤレス給電のしくみ(理論)や最近のスマホで使われているワイヤレス充電(Qi)などについては、まだ分からないことが多く勉強中です。
ワイヤレス給電ユニットからもっと離しても点灯させるために、コイルを増やした実験などもやってみたいと考えています。