バットのハンマリング試験についてをKindle版で出版しました。
「ハンマリング試験から始めるモード解析入門」 はかせ (著) Kindle版
主に以下の2つの記事を1冊にまとめました。
「ハンマリング試験から始めるモード解析入門」の紹介
3D CADが設計ツールとして普及すると共にシミュレーションが広く使われ始め、モノづくりでもシミュレーションの割合が増えています。実験とシミュレーションとはお互いを補完する関係にあり、担当者がお互いにやっていることを知り連携することが重要だと考えています。
本書では、著者が社内研修などで実施してきた金属バットのハンマリング体験に加えFreeCADによるFEMの結果をまとめています。自分で計測したデータから振動モード形を作りシミュレーションと比べることで、振動解析に興味を持つきっかけにもなっていたようです。
今でも振動を専門とする人は少ないようです。本書が振動に興味を持つきっかけや、モノづくり教育における実験やシミュレーションのヒントになれば幸いです。
「ハンマリング試験から始めるモード解析入門」の目次
Amazonの紹介ページにも載せていますが、目次は以下の通りです。
はじめに
第1章 身近にある振動・騒音とその対策方法
1. 身近にある振動・騒音
2. 振動問題における実験とシミュレーションの重要性
第2章 実験とシミュレーションとモノづくり(設計・開発)
1. 実験とシミュレーションの結果が違ったらどうしますか
2. シミュレーション(CAE)と設計・開発の期間の短縮
第3章 バットのハンマリング試験で始めるモード解析
1. 振動とハンマリング試験
2. ハンマリング試験に必要な機材とデータ
3. センサーの選定及び設置
4. 計測対象物の支持方法
5. 振動モード形と計測点の選定
6. 簡易的な振動モード形の作成
7. データ処理:簡易的な振動モード形の作成
8. 考察:ホームランについて振動から考える
第4章 FFTアナライザの基本的な使い方:ハンマリング試験
1. 振動・騒音とFFTアナライザ
2. ハンマリング試験
3. ハンマリング試験での振動計測
第5章 FreeCADで始める固有値解析
1. 振動解析とシミュレーション
2. 振動解析(FEM)を効果的に行うための注意点とポイント
3. 振動モード解析(固有値解析)
4. 解析結果の考察と実験との比較
5. コンピュータ資源(性能)など
6. 金属バットの固有値解析
7. FEMならではの振動モード形
8. FEMの固有値解析と実験モード解析との違い
9. 基本的な振動モード形
おわりに
Kindle本作成の感想
ハンマリングをテーマにした本は、2000年頃からに本にまとめたいと思い始めました。当時は紙の本の自費出版も調べてみましたが今一つ気乗りせず、その後何度かKindle出版にチャレンジしながらもこれまで形になりませんでした。
このブログである程度文章を整理したり、図を作り直したりたりしていたため、今回は何とか形にすることができました。
いざ出版するとなると本文のレベル(完成度)はもちろんですが、表紙や奥付など本文以外の部分もあり、一人で全部やるのは面白くもあり大変でした。
2冊目だったのですが、分野も内容も全く違うため意外に手間取りました。
Kindle本の制約で図の作り直しもありましたが、ある程度のところで妥協して完成させることができたというのが実際のところです。
ようやく形にすることができて、なぜかホッとしています。
Kindle出版について
次の出版予定は今のところありませんが、Kindle出版の手順について記憶の薄れないうちにまとめました。