はじめての設計:設計(図面)と加工、計測の共通言語が幾何公差?

ここまで「はじめての設計」をテーマに、幾何公差の入り口まで説明してきました。

はじめての設計
はじめて設計の仕事をする際、OJTと称してまずは図面トレースから始まる場合もあるようです。まずは、図面作成にあたり知っておくべき基本的な知識について「JIS B 0001 機械製図」を参考に説明します。

ここで、幾何公差について学びはじめてから、幾何公差を理解するためには加工計測の知識も必要となることを知り、次の様な方の参考になるかもしれないと思い、これからのモノづくりについて振り返ってみました。

  • 幾何公差について覚えろと言われたが、設計者として何が重要で何を学ばなければいけないのか分からない方
  • CAEをやりたいが設計知識も必要になるしどうすればよいか悩んでいる方
  • 試験を担当しているがCAEや設計の知識も設計検証に必要といわれてもどうしたものかと悩んでいる方

私の場合、幾何公差は3Dの世界の話になるし、3D CADには苦手意識があるので食わず嫌いでしたが、今では学びはじめてよかったと思っています。勉強は諦めないことが大切ですね。

ここでは、私が幾何公差について学びはじめてからの思考過程を例に、幾何公差をキーワードに設計、加工、計測について説明します。

言葉(用語)の意味や使い方については、あくまでも私の理解した内容なので正確ではないことにご注意ください。
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幾何公差には加工や計測の知識も必要な理由

幾何公差を理解するには、加工や計測の知識も必要になります。

順に考えてみます。

加工による影響を考慮する理由

幾何公差を決める際には加工による影響を考慮します。

例えば、材料を加工すると図面通りの寸法にはなりません。

加工をすることで、次の様な影響が出てくるからです。

  • 加工そのものによる変形や応力の影響
  • 旋盤等の機械加工では材料をバイスで固定することによる影響

計測の知識が必要な理由

幾何公差では計測の知識が必要になります。

計測することで、図面通りの寸法や形に仕上がっているか確認することができます。加工による変形も加工前と加工後に計測しないと確認できません。

つまり、計測できない寸法(サイズ)を図面で指定しても、直接確認(計測)できないのであれば、確認しようがないことになるため、設計意図を図面に表せていないと考えることもできてしまいます。

計測については、ノギスやコンベックスでの寸法計測では、あくまでも2点間の距離(寸法)を確認できるだけです。文字通り2つの点の距離を測っているということなので、2点の間が直線とは限らないということです。

幾何公差とデータムについて納得したこと

ここまで考えてきて、幾何公差に出てくるデータムの必要性がなんとなく分かってきました。

データムとは基準のことです。つまり、ある形状の物体を表すのに、基準となる点、線、面を決めて、そこからの寸法(サイズ)と公差を決めるのが設計者の仕事ということになります。

ということは、物体の形状を表すのにデータムを決めることは、ある部品の機能を発揮するために必要な形状(つまりサイズ)、機能を発揮するために必要な公差を決めることであり、これが設計だと考えることができます。

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設計におけるXYZの座標系(自由度)と幾何公差

3D CADでは、モデル空間の座標系(X、Y、Zの並進と回転の6自由度)でモデルを作成します。

機械加工は、加工機械が持つ自由度の制約はありますが、やはり加工機械の座標系で加工します。

図面通りにできているか計測するためには、形を見るためには3次元測定機が必要になるのも、サイズや基準面(データム)を設計で決めていることから必要な測定であることが理解できます。

加工における座標系と公差

冗長な文章が続いて申し訳ありませんが、ここまで述べてきたことを整理してみると、幾何公差によるモノづくり(設計、加工)について、次の様に考えることができると考えています。

  • 幾何公差によるモノづくり(設計、加工)は、モノづくりのあるべき姿である。
  • 幾何公差以前の設計や加工では形を決めていたのが、加工による影響(クセなど)を経験値として持ち設計者の意図を図面から読み取り加工していたベテランの加工者が必要となる。

言葉を変えると、

  • 寸法公差による設計は、設計と製造による合わせ込み(すり合わせ)によるモノづくりを必要とする。このため、いわゆる現場での職人の知識や経験が必要となる。
  • 幾何交差を使うことで、設計、加工、検査(測定)を経験に頼らずに、設計者が意図した機能を発揮する部品を作れるようになっている。

つまり、これからのモノづくりの設計者が幾何公差を理解することは必須だということです。(幾何公差以前にも必要だったが、加工や計測の設備の制約で寸法公差で設計していたとも考えられます。)

そして、設計者の意図する機能が発揮されているか確認(シミュレーション)するCAEにおいても幾何公差の理解は必要です。

様々な試験においても、設計者の意図が実際に作られた部品の機能が発揮できるかを確認するためにも、試験においても幾何公差の理解が必要になるということです。

以上まとめると、

  • 設計、製造(加工)、検査(試験)の担当者が、図面に示されたデータムと幾何公差という共通の基準で会話ができるようになった。

のだと考えています。

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まとめ

ここまで「はじめての設計」をテーマに、幾何公差について学びはじめてから、幾何公差を理解するためには加工や計測の知識も必要となることを知り、次の様な方の参考になるかもしれないと思い、これからのモノづくりについて振り返り、以下の項目で説明しました。

ここでは、

  • 幾何公差には加工や計測の知識も必要な理由
    • 加工による影響を考慮する理由
    • 計測の知識が必要な理由
  • 幾何公差とデータムについて納得したこと
  • 設計におけるXYZの座標系(自由度)と幾何公差
  • 加工における座標系と公差
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