モノを作る会社に入ったからといって、必ず製品開発ができるわけではなく、製品の開発をやっているといっても、製品の一部だったり1つの部品だったりということもあります。
設計や製造を直接担当することはなくても、新商品の企画から販売まで担当するプロジェクト・マネジメントの様なかかわり方もあります。
幸い商品企画を担当する機会に恵まれ、実際に、売れる新商品のアイディアを形にすることができましたが、その様な道(ルート)があるわけではなく、チャンスに備え、つかんだからこそ、結果的に経験できたと考えています。
ここでは、レベルアップしたいと考えはじめた設計者をイメージして、自らやってみることについて説明します。
「できない」からの進み方
私は、設計そのものを仕事でやったことはありませんが、商品企画や品質管理の仕事を通じて、設計者の方の頑張りや悩みを聞くことがあります。営業の声というのも聞こえてきます。
そんな中で、新卒や中途にかかわらず、設計の仕事はその会社のルール(暗黙知)もあり、最初は「できない」ものだと考えています。
大会社で、教育・訓練体制が整っていて段階的にレベルアップ(設計の力量向上)ができるようなところは違うのかもしれませんが、会社の大多数を占める中小企業では、OJTというなの自ら学ぶしかない技術者が多いようです。
さて、はじめは誰でも「できない」と思いますし、それが当たり前だと考えています。
しかし、「できない」からの進み方をみていると、その後のスキルアップ(仕事ぶり)が大きく違ってきます。
「できない」の次は、
「やらない」か「やってみる」
で、その先まで含めると次の2つの道に分かれる場合が多いです。
「できない、やらない、いつまでもできない」
「できない、やってみる、学ぶ」
当初は、あまり差がでませんが、1か月、3か月、1年、2年と過ぎてくると、やっている仕事の質と量も違ってきます。
仕事への取り組み姿勢の話でもあるので、どちらが正しい、間違っているということではありませんことご了承ください。
これまでの人生(半世紀ほど)で、別れ道が来ると「より広い可能性のある道を選んできた」私の考え方です。
「できない」から「やらない」となる残念な人
仕事を「できない」から「やらない」となる人は、自分ができないこと(やりたくないことも含まれるかもしれません)を指示されると、「できない理由」を作ります。
仕事なのに「できない」ということは、厳しく言えば「(できるといった事以外)何もしません」ということになると思うのですが。
その後の対応は、ざっくり次のパターンになります。
- 指示された人は、できないので放置したり、「分かりません」と答えて終了。
- 指示する方は、はじめのうちは説明したりしますが、結局具体的に指示したことしかやらない、分からない(できない)ことは結果的にやらないことに気づき、お手上げ状態となって、自分でやるか別の人に投げることに。
これは、「できない理由」を聞いたところで何も変わらず、どうすればよいか聞くと答えはなく「(沈黙)・・・。」という感じです。
実は、「できない」から「やらない」と、いつまでもできないだけでなく、できていることのレベル(質と量)も下がっていくのですが、こちらの話はこの辺で終了とします。(周りはできるようになっていくので、客観的にみるとレベルが落ち続けていることにな、低いレベルの状態が維持されるわけではないということです。)
類似と言っていいか疑問はありますが、「できない」のに「できます。できます。今すぐやるのでまかせてください。」という困った人もいます。
偉い方の受けはよくても、結局できない事に変わりはないので、周りの人が困るケースです。これはこれで困ったひとですが、こちらも先がないのでこの辺で終了にとます。
「できない」けど「やってみる」応援したくなる人
「できない」けど「やってみる」人は、「今はできない」ということです。
つまり、どうすればいいのか、何ができるか、分からないことは聞いて、何をするかを決めて、まずはやってみるということです。
この「やってみる」ということは、
少なくとも自分自身のレベルアップ(知識や経験)
になります。
上手くできたかとか、失敗したとかも含めて、やってみた人には何らかの気づきや知識・経験を得ることができたということです。
さらに、「やってみる」ことを続けると、1か月、3か月、半年、1年と過ぎていき3年と、これまでの知識や経験が強化されていきます。
自分自身ではあまり気づかないので、半年とか1年毎に振り返ってみることをおすすめします。
会社の目標管理制度などで個人目標による評価をされているかもしれませんが、それとは別に、
社外でも通用するか
(お客様からの評価という視点など)
という視点で、自己評価をしてみると気づきがあると思います。
私は、自己評価をすると自己嫌悪になってしまいがちなので、そういう場合には、軽い気持ちで、
過去の自分と今の自分を比べてみる
(仕事の量や対応力など)
と、これからの目標につながったりもします。
いわゆる就活をされた方にはマイナスのイメージがあるかもしれませんが、
履歴書と職務経歴書を定期的に見直す(更新する)
のも、1つの方法です。
この様に、「やってみる」から現在地と今後が見ることができます。
現在と今後をみれば、ありたい姿のイメージが具体的な目標に近づき、これから学ぶことやこれからも学ぶことにつながっていきます。
「できない」は、「今はできない」ということです。
「やってみる」ことで、何が足りないか分かり「学ぶ」につながります。
「できない、やってみる、学ぶ」
を続けてみてはいかがでしょうか?
頑張り過ぎれば疲れます。疲れたら休みます。
考えにいきづまったら、時にはリセットします。
無理が続くと無茶になり、無茶なことは心や体にダメージが残りますので、無理することはあっても、無茶はしません。
まとめ
モノを作る会社に入ったからといって、必ず製品開発ができるわけではなく、製品の開発をやっているといっても、製品の一部だったり1つの部品だったりということもあります。
設計や製造を直接担当することはなくても、新商品の企画から販売まで担当するプロジェクト・マネジメントの様なかかわり方もあります。
ここでは、レベルアップをしたいと考え始めた設計者をイメージして、自らやってみることについて、以下の項目で説明しました。
- 「できない」からの進み方
- 「できない」から「やらない」となる残念な人
- 「できない」けど「やってみる」応援したくなる人