「はめあい」とは、軸と穴との関係のことです。
軸と穴との関係である「はめあい」に対し難しいイメージがあったためか、設計初心者の場合、単一部品であれば、「はめあい」は意識しなくてもよいと考えていました。
しかし、設計で部品を取り付けや公差について考えるようになると、「はめあい」について知っている方がよい、むしろ知らなければいけないと思うようになりました。
ここでは、軸と穴との関係である「はめあい」の基礎的な知識について説明します。
軸と穴との関係「はめあい」とは
「はめあい」とは、軸と穴との関係のことです。
下図は、はめあいのイメージです。
軸と穴とのすき間により、軸がガタついたり、スムーズに回ったり、きつくて回らないような場合があります。
下図は、プレート(灰色)に軸(緑色)を組み合わせたイメージ図です。
図1 はめ合いのイメージ
軸と穴とのすき間(寸法差)により、はめあいには以下の3つがあります。
- すきまばめ(clearance fit)
- しまりばめ(interference fit)
- 中間ばめ(transition fit)
はめあいは、加工後の実寸(実際の寸法)に左右されますので、設計の際は機能的に必要な公差を軸と穴に設定することと、加工精度もコストに直結しますので、機能とコストのバランスを考慮した設計が求められます。
はめあいについて知ることは、軸と穴との関係を知ることであり、取りつける部品と取り付けられる部品との位置関係(公差設定)と加工精度とバラツキについても考えることになり、設計の基礎知識の1つであると考えています。
以下、3つのはめあいについて説明します。
すきまばめ
「すきまばめ」とは、軸と穴との間に常にすき間ができる「はめあい」のことです。
下図は、すきまばめのイメージ図です。
- 軸と穴のすきまが大きいと、軸がガタつきます。
- 軸と穴のすきまが小さくなると、軸が穴にフィットしてスムーズに回転します。
図2 すきまばめのイメージ
上図の青色の部分は軸の公差、赤色の部分は穴の公差を示しています。
- 軸の公差は、小さめなのでマイナス公差(例:φ3の軸に対し+0、-0.1の公差)
- 穴の公差は、大きめなのでプラス公差(例:φ3の穴に対し+0、-0.1の公差)
しまりばめ
「しまりばめ」とは、軸の方が穴よりも大きく、「しめしろ」あるばあいです。軸を穴に圧入する場合のことです。
下図は、しまりばめのイメージ図です。
- 軸と穴とのすきまがなく、軸を穴に圧入します。
- 圧入後は、軸が穴に締め付けられた状態になります。
図3 しまりばめのイメージ
上図の青色の部分は軸の公差、赤色の部分は穴の公差を示しています。
- 軸の公差は、大きめなので公差(例:φ3の穴に対し+0.1、-0.1の公差)
- 穴の公差は、小さめなのでマイナス公差(例:φ3の軸に対し+0、-0.1の公差)
中間ばめ
「すきまばめ」とは、軸と穴との間に常にすき間ができる「はめあい」のことです。
下図は、すきまばめのイメージ図です。
軸と穴との間は、すきまがあるか、しめしろができるはめあいのことです。
図4 中間ばめのイメージ
上図の青色の部分は軸の公差、赤色の部分は穴の公差を示しています。
- 軸の公差と穴の公差の一部または全体が重なります。
まとめ
「はめあい」とは、軸と穴との関係のことです。
「はめあい」に対し難しいイメージがありましたが、設計で部品の取り付けや公差について考えるようになると、「はめあい」について知らなければいけないと思うようになりました。
ここでは、軸と穴との関係である「はめあい」の基礎的な知識について以下の項目で説明しました。
ここでは、
- 軸と穴との関係「はめあい」とは
- すきまばめ
- しまりばめ
- 中間ばめ