金属材料の基礎:鋼材の3色の錆(さび)、赤錆、黒錆、白錆

錆の一般的なイメージは赤錆(あかさび)です。その名のとおり錆自体が赤みを帯びており、鉄を腐蝕させ、ボロボロにしていきます。

鉄鋼材料(鋼材)に空気中の酸素と水(水分)が触れると、錆(さび)が発生します。つまり、鋼材と錆とは密接な関係があるということです。

ここでは、鋼材の代表的な錆である、赤錆(あかさび)、黒錆(くろさび)と白錆(しろさび)についての基礎的なことを説明します。

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鉄鋼材料と錆(さび)

鉄鋼材料に空気中の酸素と水(水分)が触れると、錆(さび)が発生します。これは、鉄の性質によるもので、鉄はそのままの状態では不安定なため、酸素と結びつこうとして、錆となります。

このため、鉄鋼材料は、程度の差はありますが錆の問題を避けられないため、使用場所やコストなどを考慮し、次の様な対策をして使われます。

  • 鋼材の表面に何らかの方法で膜をつくり、その膜によって錆の発生を防ぐ。
  • 錆にくいステンレスを使う。
  • 鋼材にコーティング(塗装やめっきなどの表面処理)をする。

なお、鋼材に何らの対策をすれば絶対に錆びないわけではありません。

  • ステンレスは錆びないのではなく錆びにくい鉄鋼材料です。
  • 鉄鋼材料にコーティング(塗装やめっきなどの表面処理)をしても、加工した端面やキズから錆が発生しやすい。

一般的な炭素鋼の錆には、赤錆(あかさび)と黒錆(くろさび)があります。

  • 赤錆による腐食が進行すると鉄そのものがボロボロになり、最後は風化してなくなってしまいます。
  • 黒錆は鉄鋼材料の表面を保護する性質があります。

赤錆(あかさび)

鋼材を腐食させる赤錆は、単一の物質ではなく、他の金属の錆に比べても様々な腐食生成物が混在していることが分かっています。

一般的な鋼材に発生する赤錆は、水酸化第一鉄(緑色や白色)がまず生成され、これが酸化され水酸化第二鉄(赤錆)に変化します。

黒錆(くろさび)

黒錆は、一般的な鋼材に対して自然に発生することはなく、鉄の表面にできる酸化膜のことです。

鋼材の表面に黒錆ができると、赤錆の発生を抑えることができます。

このため、意図的に鋼材の表面に膜をつくり、その膜により錆から保護します。

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赤錆と黒錆の違い

赤錆と黒錆の違いを下表に示します。

 赤錆(あかさび)黒錆(くろさび)
発錆方法
  • 空気(酸素)、水(水分)に触れて、発錆する。
  • 熱処理により発錆させる。
  • 黒染とも呼ばれる。
錆の特徴
  • 鋼材をボロボロにしていく一般的なイメージの錆。
  • 表面に膜を形成し、赤錆を防ぐ働きがある。
  • 黒皮材は、表面に酸化膜が形成されたものをいう。
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白錆(しろさび)

赤錆(あかさび)は主に鋼材に見られる錆です。

白錆(しろさび)は、アルミニウムや亜鉛の表面に見られる錆です。

金属の種類によって生成される錆の色に違いが生じます。ここでは、アルミニウムと亜鉛の白錆について説明します。

アルミニウムと白錆

アルミニウムは大きく、

  • アルミニウムの純度が高い純アルミニウム
  • 添加元素を加えて強度を高める等したアルミニウム合金

とに分類されます。

錆や腐食についてみた場合には、純アルミのほうが錆びにくく、耐食性にも優れています。

アルミニウムは、乾燥している空気中では、その表面に酸化アルミニウムの薄い膜が形成されます。これが不動態皮膜とも呼ばれるもので、これによりアルミニウムは錆びにくくなります。

アルミニウムの不導体被膜は、強固な自然の保護皮膜です。しかし、この皮膜がある状態でも、湿度のある大気中に放置したり、水がかかったりすると、この酸化アルミニウムが水和酸化物に変化して白色の水和酸化アルミニウムになります。

アルミが錆びる主な原因は、次の2つです。

  • 表面を覆っている不動態皮膜が完全に剥がれる。
  • 部分的に膜に穴が開いてしまう。

皮膜が健在であればアルミニウム本体は腐食しないため、白錆があるからといって腐食が進んでいるとは限りません。

また、アルミにも「もらい錆」があります。例えば、アルミニウムが銅や鉄鋼、ステンレスなどと接していて、水に触れる環境では、その接触部分から錆びが成長し、腐食が進みます。

亜鉛と白錆

これまで説明してきた通り、鉄そのものの錆は、赤錆か黒錆です。

亜鉛の白錆は、亜鉛そのものよりも鋼材の錆防止に使われている亜鉛めっき上に見られるものです。

亜鉛の表面には、空気や水(水分)のある場所では、薄い酸化被膜ができています。この膜自体にも錆を防ぐ効果はあるとされていますが、この膜の上に生成される酸化物が主に錆を防ぐ役割を果たしています。

この物質は色が白いため(真っ白というよりは灰白色に近い色です)ため、白錆と呼ばれます。

赤錆と白錆の違い

赤錆と黒錆の違いを下表に示します。

 赤錆(あかさび)白錆(しろさび)
発生する金属
  • 鋼材(炭素鋼)
  • アルミニウム(合金)
  • 亜鉛(合金)
発錆方法
  • 空気(酸素)、水(水分)に触れて、発錆する。
  • 金属表面にできた酸化物が空気や水分と反応し白錆となる。
錆の特徴
  • 鋼材をボロボロにしていく一般的なイメージの錆。
  • 金属が裸の状態で空気や水分に触れることを防ぐ保護膜の役割をもつ。

     

  • 亜鉛の白錆は、それ自体が腐食を防ぐ耐食性を持つ。

     

  • アルミニウムは、酸化皮膜が腐食を防ぐが、その上に生成される水和酸化物が白錆。

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まとめ

錆の一般的なイメージは赤錆(あかさび)です。その名のとおり錆自体が赤みを帯びており、鉄を腐蝕させ、ボロボロにしていきます。

鉄鋼材料に空気中の酸素と水(水分)が触れることで錆(さび)は発生します。これは、鉄鋼材料と錆とは密接な関係があるということです。

ここでは、鋼材の代表的な錆である、赤錆(あかさび)、黒錆(くろさび)と白錆(しろさび)について以下の項目で説明しました。

ここでは、

  • 鉄鋼材料と錆(さび)
    • 赤錆(あかさび)
    • 黒錆(くろさび)
  • 赤錆と黒錆の違い
  • 白錆(しろさび)
    • アルミニウムと白錆
    • 亜鉛と白錆
  • 赤錆と白錆の違い
はかせ

振動制御を学ぶことで実験・計測とCAE、モデリングに制御と幅広く学び、出会いとチャンスにも恵まれ工学博士になりました。
CAEが珍しくない今だからこそ、実験やリアルなモノづくり体験が必要だと考えています。

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