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浮力(アルキメデスの原理)で説明。氷山の見える部分は全体の10%

氷山 身近な高校物理

氷山というと映画タイタニックを思い出します。

また、「氷山の一角」とは、見える部分は一部だけという意味で使われています。

ここでは、氷山の海上に見えている部分が約10%でほとんどが海中にあることについて、浮力(アルキメデスの原理)で説明します。

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氷山とは

下図は、氷山の一例です。

氷山の一例

Aline DasselによるPixabayからの画像

図1 氷山の一例

氷山は、上図で海面上に見えている部分は、氷山全体の約10%、つまり、氷山の大部分(約90%)は海中にあります。つまり、船の上から氷山を見た場合、見えている部分よりも海中にある見えない部分がとても大きいということで、下図の様なイメージになります。

氷山のイメージ(海上部分と海中部分)

Mote Oo EducationによるPixabayからの画像

図2 氷山のイメージ(海上部分と海中部分)

映画タイタニックに限りませんが、船にとって氷山は見えている部分だけで判断してはいけない大きさを持つものであり、航海上十分に注意する必要があるということになります。

次項で、「氷山の海上の部分は約10%に過ぎない」ということを、浮力で説明します。

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氷山と浮力(アルキメデスの原理)

氷山の海の上に見えている部分が、氷山全体の約10%であることは、浮力(アルキメデスの原理)で説明することができます。

「アルキメデスの原理」とは、次のことです。

  • 液体中にある物体は、その物体が押しのけた液体の重さに等しい浮力を受ける。

つまり、氷山について次のことが言えます。

  • 氷山には浮力がかかっています。
  • 氷山の海中部分の海氷の体積と同じ体積の海水分の重さだけ軽くなります。

ここで、海水と氷山(海氷)の密度と体積を以下とします。

海水の密度:1.03 (\( g / cm^3 \))

海氷の密度:0.92 (\( g / cm^3 \))

\(V_1\):氷山の海の上に出ている部分の体積

\(V_2\):氷山の海の中の部分の体積

\(V\):氷山全体の体積

氷山の体積と密度との関係は、次式となります。

(氷山全体の体積)×(海氷の密度)=(氷山の海中部分の体積)×(海水の密度)

つまり、

\(V\)×0.92=\(V_2\)×1.03

となり、この式を変形すると次式となります。

\(V_2\)/\(V\)=0.9/1.03=0.893

つまり、

  • 氷山の89.3%が海中にある。
  • 残り10.7%が海上にある。

ということになります。

今回、海水や氷山(海水の氷)の密度について調べました。海について調べ始めると、地球規模の話もでてきますし、水の不思議な性質について再認識するよい機会にもなりました。

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まとめ

氷山というと映画タイタニックを思い出します。また、「氷山の一角」とは、見える部分は一部だけという意味で使われています。

ここでは、氷山の海上に見えている部分と海中の部分について、以下の項目で説明しました。

  • 氷山とは
  • 氷山と浮力(アルキメデスの原理)
はかせ

サイト管理人で記事も書いているモノづくり会社の品証の人。
振動制御で工学博士なれど、いろいろ経験して半世紀。
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