レンタカーやカーシェアリングの普及により、同じ様な大きさ(クラス)でも違う自動車メーカーの車に乗る機会が増えていると思います。
基本的な機能や操作性はほぼ同じなのですが、実際にレンタカーを利用していてとまどったことがあり、仕様と優先順位について考えさせられる経験を紹介します。
ここでは、バックモニターについてまとめています。
アイドリングストップほどではありませんが、バックモニターのある車に慣れてしまっているためか、車の真後ろが見えない不便さにはなかなか慣れません。
レンタカー会社を変えてみた理由
これまでは、自動車メーカーの系列のレンタカーを借りていたのですが、
- 利用する店舗では車両が汚れている(以前に比べきれいでなくなったという意味です)などサービスの低下を感じた。
- これまでのサービスが過剰、オーバースペックだったのかもしれません。
- 助手席の乗り心地の不満
- シート形状、特にバックレストが合わずに首が疲れる。
こともあり、レンタカー料金も考慮した結果、別のレンタカー会社に変更しました。
別のレンタカー会社では、特定のメーカーの自動車ではないため、1日借りたでけでもその違いに気づくことがいくつかありました。
例えば、
- エンジンの始動ボタンの位置がハンドルの右側か左側か
- ライトスイッチに自動点灯の有無があるかないか
- ワイパーのインターバル速度調整の有無
ここでは、ある国内メーカーの普通車を借りた時に、困った、不便だと感じたことの1つ、バックモニターについてまとめています。
駐車場に入れようとしてバックモニターがないことに気付く
これまでは、バックモニターが標準のレンタカーを借りていました。
新しいレンタカー屋さんで借りた車には、オートクルーズがついていましたが、オートクルーズは好きではないので使うことはなく、「ハンドルに操作ボタンが多いな」と思う程度でいつも通りに運転をしました。
違いに気づいたのは、休憩のため立ち寄った道の駅で駐車場に止める時です。
今までは、バックモニターが付いているのが当たり前だったので、車の周辺とバックモニター(カーナビの画面)を見ながらバックで駐車していました。
しかし、今回のレンタカーには、バックモニターがなく、「一瞬ですが、後ろが見えない」と驚いてしまいました。
バックモニターならば、車両の真後ろが見えますが、運転席から振り返っても真後ろは見えません。当たり前のことですが、思っているのと違うと戸惑います。
オートクルーズが付いているから当然バックモニターも付いているものと思い込んでいたのも驚いた一因かもしれません。
バックモニターのないことに気づいてから、そのことを意識して運転していたのですが、長年バックモニターに慣れてしまうとなかなか違和感が抜けないようです。
バックモニターでの更新と駐車に慣れてしまっていたため、バックモニターの便利さを再認識すると共に、運転頻度も少ないため慣れることもなく違和感が残っています。
今では、全周見えるモニターもあり、便利だと思っていましたが、これに慣れてしまうのも、ちょっと困ったことになるかもしれないと考えています。
レンタカーだからなのかもしれませんが、オートクルーズとバックモニターの優先順位は、バックモニターが優先だと思います。
カーナビが自動車メーカー純正ではなかったので、そのせいかもしれませんね。
自動運転だけではない、便利さと落とし穴
私は、自動運転なら完全自動運転(行き先を指示すれば、眠っていても目的地に移動できる自動運転)でないと、自動運転は使いたくないと考えています。
参考:自動車の快適性は、音振(騒音・振動)対策からAIによる自動運転へ
運転手が必要な自動運転は、あくまで補助、どこまですすんでも運転手をサポートする範囲は超えないのだけれど、運転手は人である故に自動運転の補助に慣れ、その自動運転が優れていれば優れているほど、その存在を忘れてしまう。
自動運転もソフトウェア、優れたAIであっても開発上の想定範囲はあるし、想定外は限りなく小さくなるものの完全には無くならない。
私が運転手不要の自動運転でなければ、使いたくないと思う理由の1つです。
オートマ(オートマチック・トランスミッション)の便利さ
自動運転以外でも便利な機能にオートマがあります。
さすがに、マニュアル車は運転できなくても困ることはありませんが、オートマでも急な坂道で停車して発進する時には、かつて自動車教習所で学んだ坂道発進や、後方に車がいないのを確認してDレンジで車が下がるか試した経験を思い出します。
オートマのトルクコンバータであれば、クリープを弱くすれば坂道でも停止できますが、逆に平坦路でブレーキを離すと進みやすくなります。
どの程度のクリープに設計(設定)するのか、どのような環境(坂道、路面状況など)を想定するのか、なかなか仕様を決めるのは難しいです。
それこそ、車両の状態(坂道なのか平坦なのか、路面は滑りやすいのかなど)をセンサーで検出して、制御する方法もあるのでしょうが、実際にその車を買う人にとって価格に見合う機能なのかも考慮して仕様を決めているのではないでしょうか。
これを使用者の要求としてみると、
- 坂道でDレンジであれば、ブレーキを離しても下がらないで欲しい。
- 平坦路では、ブレーキを離すと少しだけ進む方が発進がスムーズになる。
といったイメージになると考えています。
お客様の要求は結局分からない中での新商品開発のジレンマ
これを自動車メーカーでは、開発車両への要求事項や仕様にし、シミュレーション、試作、量産試作、そして、リリース。
かなりのリソース(人、時間)を費やしているはずですが、それでも抜けやモレがあり、なくならないリコール。
製品開発の大変さでもあり、おもしろい、やりがいのあることでもある所以だと考えています。
設計や開発で大いに悩み、工夫したことなのに、
- ユーザーは当たり前で気付いていない
- 壊れたりして不便な状態にならないと分からない
ことも少なくないのが現実かもしれません。
口で言うほど簡単なことではないのですが、妥当性確認とは、使用者の要求を満足していることです。
使用者は様々なので、ある程度使用者を絞り込んで仕様を決めていかないと何のために何を作っているのか分からなくなってしまいます。
使用者のニーズは様々ですが、そのすべてを満足することはできないため、言葉はよくないですが、妥協の結果1つの製品が完成します。
便利だと思う機能1つとっても、作る側と使う側では便利さの判断基準が違います。
よく考えて作られたモノ(機能)は、
- ハードウェアでもソフトウェアでも使用者(ユーザー)は気づいていない。
- そのモノがなくなる。その機能が使えなくなって初めて便利さに気付く。
ことが多いように思います。
想定通り売れるか売れないか判断(評価)できるメーカーをあるのでしょうが、「思った通りには売れず、売れればヒット商品になる。」というメーカーが多いのではないでしょうか。
考えすぎて、煮詰まってしまったら、いったんリセットして、開発側とユーザー側とで以下のような便利さの比較をしてみてはいかがでしょうか?
- スーパーカーならポルシェとフェラーリ
- スマホならアンドロイド端末とiPhone
- パソコンならMacとWindowsPC
右側のドアミラーの右上に後続車接近の表示
2021年10月、レンタカーでマツダのSKYACTIVE搭載車を利用しました。
運転し始めてしばらくしてから、ドアミラーの右上に後続車接近の表示が出ることに気づきました。
どうやら、2車線の道路の左側を走っていて、右側の斜線から車が接近してくると表示されるようです。
しかし、接近車はドアミラーやルームミラーで分かるので、必要なのかは疑問です。どんな理由でつけたのかは分かりませんが、センサーで検知できていて、表示もできるから搭載してみた感じなのでしょうか?(馬鹿にしているわけではなく、必要性が思いつかないだけです。
この車両にはSKYACTIVEが搭載されていて、アイドリングストップのチューニングは素晴らしいを感動したのですが。
レンタカーで私が運転した小型車の比較で、完全な個人的感想ですが、運転しやすいのは、次の順です。
- フィット > デミオ(マツダ) > ヴィッツ(トヨタ) > ノート(日産)
ホンダ好きなのでご注意ください。
まとめ
レンタカー会社を変えたところ、同じ大きさでも車メーカーによる違いに、運転してから気づき戸惑うことがありました。
ここでは、以下の項目についてまとめています。
- レンタカー会社を変えてみた理由
- 駐車場に入れようとしてバックモニターがないことに気付く
- 自動運転だけではない、便利さと落とし穴
- オートマ(オートマチック・トランスミッション)の便利さ
- お客様の要求は結局分からない中での新商品開発のジレンマ