合成木材を例に設計、製造、設置後の材料劣化について考える

実家にウッドデッキがありましたが、床やフェンスの一部にひびが見られるようになりました。陽当たりのよいせいもあるとは思いますが、経年劣化によるもので塗装することで寿命を延ばすこともできますが、それでも見た目(美観)はきれいとは言えなくなってきます。

自然の木材なのでその程度の差こそあれ経年による変化(劣化)をなくすことはできませんが、今ではウッドデッキなどの対候性が求められる場所に見た目が木材の様な合成木材(人口木材)が使われています。

合成木材と自然素材を比べるのもナンセンスですが、合成木材だからといって劣化しない訳ではありません。

ここでは、ウッドデッキなどに使う合成木材製の板材を例に、設計、製造、使用(設置)における劣化についてまとめました。

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考察対象の合成木材製の板材

ここで考察対象となる合成木材製の板材について説明します。

合成木材製の板材の設置イメージを下図に示します。

1つ1つの板材を図の様に並べて固定することにします。ウッドデッキやフローリングの様に並べていくイメージになります。

合成木材製の板材の設置イメージ

合成木材製の板材の設置イメージ

図1 合成木材製の板材の設置イメージ

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合成木材についての考察(設計、製造面)

ウッドデッキで使われることを想定すると、強度はもちろんのこと表側は木材の様に見える美しさが求められます。

つまり、板材に使用する材料は、表面側と内部との2種類の材料が必要となります。製造方法は、ここでは、2層の押出成形とします。

表面側に求められる要求は、

  • 木材の様な美観(見た目が新品に近い状態が続くこと)
  • 木目の様な凹凸(水がたまらない、水捌けの良さ)
  • 柔らかさ(足の裏で直接触れることがあるため、できれば木材に近い触感)

などがあります。

内部に求められる要求は、

  • 変形しない(ゼロとは言いませんが)
  • 強度(木材と同等以上の強度)
  • 耐久性

などがあります。

このため、板材の断面は下図の右側の様にします。

下図では、簡略化のため表面の凹凸を単純化し、内部を一様としています。

板材の断面イメージ

板材の断面イメージ

図2 板材の断面イメージ

図2の右側は、内部の材料を均一に表面の材料で覆ったイメージです。

こうすることで、

  • 製造は容易になります。
  • 結果、製造コストは小さく、歩留まりもよい。

ことが予想できます。

しかし、

  • 表面の材料は給水は期待できないのでどうしても表面に水たまりができ、ウッドデッキには適さない。
  • つまり、売れない商品

になってしまいます。

はかせ
はかせ

売れる商品を作り出すには、設計、製造、そして、利用者(お客様)の要求のバランスが重要です。

ちなみに、ウッドデッキの合成木材は2層の押出成形ですが、ガンプラは4色成形機による射出成形です。

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耐久性(経年劣化による影響)についての考察(使用面)

ウッドデッキに使われるということは、次の条件も求められるということになります。

  • 天候による寒暖の差が大きい(雨や雪を含む)。
  • 長期間使用される。

具体的には、

  • この板材は温度変化による膨張と収縮を長期間繰り返し受け続ける。

ことになります。

さらに、図2の右側の図の様に、表面の材料には厚みに違いがあります。

これは、

  • 温度変化による膨張収縮の度合いが、表面の凹凸部で異なる。

ということです。

したがって、

  • 設計の際には、表面の凹凸による熱膨張と収縮についての配慮が必要になる。

ということになります。

また、表面材と内部材に対する熱膨張と収縮を考えると、

  • 内部材の方が強度が高いということは、図2の右側の図で中央部が膨らむような変形が起きる。
  • 隙間なく設置すると、隣あう板材が膨張した際、各板材が圧縮力を受ける。

ことが予想されます。

このため、

  • 設置の際に板材同士の隙間をどの程度に設定するか。

ということも考慮する必要性がでてきます。

はかせ
はかせ

設計、製造、使用方法のすべてを考慮しながら、製造コストや単価を決めていくことが必要だと考えています。

まとめ

ウッドデッキなどの材料として合成木材が使われています。

合成木材と自然素材を比べるのもナンセンスですが、合成木材だからといって劣化しない訳ではありません。

ここでは、ウッドデッキなどに使う合成木材製の板材を例に、以下の項目について説明しました。

  • 考察対象の合成木材製の板材
  • 合成木材についての考察(設計、製造面)
  • 耐久性(経年劣化による影響)についての考察(使用)
はかせ

振動制御を学ぶことで実験・計測とCAE、モデリングに制御と幅広く学び、出会いとチャンスにも恵まれ工学博士になりました。
CAEが珍しくない今だからこそ、実験やリアルなモノづくり体験が必要だと考えています。

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