バンダイの多色成形機で作ると一体成形なのにガンプラの指が曲がる!?

これはすごいと感じたモノづくり技術の1つとして、ガンプラに使われている樹脂成形について取り上げます。

ガンプラとは、バンダイ製のガンダムのプラモデルのことです。
なお、ここで紹介する内容については、技術的な裏付けがある訳ではなく、あくまでも私の個人的な考えなのでご注意ください。

プラモデルの部品がついているパーツの集合体をランナーといいます。

バンダイには自社開発の4色成形機があり、1枚のランナーに最大4色のプラモデルのパーツを同時に成形することができます。(イロプラと呼ばれています。)

しかし、この4色成形のすごさは、これだけではありません。例えば、ランナーから手の部品を切り出すと、手の指関節が曲がるのです。(多重インサート成型と呼ばれています。)

ここでは、ガンプラとの再会や4色成形機のすごさを感じた4色成形技術について、PG(パーフェクトグレード)ユニコーンガンダムを例に紹介します。

なお、同じ4色成形機で作られたRG(リアルグレード)νガンダムの例は、以下の記事をご参照ください。

RG-ν(ニュー)ガンダムで学ぶバンダイの多色成形技術(その1)

RG-ν(ニュー)ガンダムで学ぶバンダイの多色成形技術(その2)

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プラモデル(ガンプラ:ガンダムのプラモデル)との再会

私のプラモデルづくりは、小学生高学年の頃がピークだったと思います。

当時は、小遣いをためて大和とか長門とか電池で動く戦艦のプラモデルを買い、ランナーからニッパーで部品を切り出して、セメダインを使い組み立てていました。

ちなみにガンプラは、セメダインなしで組み立てることができます。スナップフィットと呼ばれるこれもすごい技術の1つです。

完成すると公民館の池に浮かべて、プラモデルの船体内に水が入らないか簡単にチェック、実際に浮かべて走らせたら、まるで潜水艦のように「スーーっ」と沈没したことを思い出します。

その後、電動ラジコンにはまりましたが、プラモデルからは遠ざかっていました。

プラモデルとの再会は、あまり定かではありませんが2000年代にAmazonでシャア専用ズゴックが500円程度なのをみつけて購入したのが始まりです。下の写真は、この時購入したもので、ランナーから切り離して組み立てただけのズゴックです。

プラモデル再開のきっかけとなったシャア専用ズゴック

プラモデル再開のきっかけとなったシャア専用ズゴック

ガンプラは、HGシリーズから始まり、MG、RG、PG、時にはBB戦士とずいぶん作りましたが、飾るよりも作ることそのものが今でも好きです。

完成するや否や息子のおもちゃにされ、あえなく壊れてしまうこともよくありました。ショックではあるものの引きずるほどではなく、今では思い出の1つになっています。

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ガンプラに使われている樹脂成形機について

バンダイの4色成形機は、4色のパーツを1枚のランナーに成形することができます。

この4色成形機は色だけでなく、種類の違う材料で成形することもできます。実はこれがすごいのです。

私が購入したガンプラを例に、4色成形と異なる材料により作られたランナーについて紹介します。

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4色成形のランナーとは

PG(パーフェクトグレード)のユニコーンガンダムに含まれる、4色(黒、クリアのピンク、クリアのグリーン、クリア)ランナーの例を紹介します。

写真を撮っていなかったので、取説の一部を下図に示します。

「PGユニコーン ランナー」で検索するとWAランナーの写真を探せると思います。
イロプラの例:PGユニコーンのWAランナー

イロプラの例:PGユニコーンのWAランナー

上図のWAランナーは、PGユニコーンガンダムの4色のパーツからなる1枚のランナーで、それぞれ以下のパーツとなっています。

Aの部分:モノアイ(ユニコーンガンダムの頭部)

Bの部分:シールド

Cの部分:武器(ビーム・マグナムなど)

残りの部分:シールド

色の違うパーツの接続部分(ランナーがつぶれた様な四角形の部分)の色が混じることなくきれいに分かれています。

これを量産しているのは本当にすごい技術力だと思います。シミュレーションなら樹脂流動解析になるのでしょうが、解析結果を現物に近づけるだけでも大変そうです。

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4色ではなく違う素材を組み合わせて1枚のランナーを成形

まずは、どんなものかは以下の写真を見てください。

PGユニコーンとRGのガンダムMk-IIの手

PGユニコーンとRGのガンダムMk-IIの手

ガンプラの手の写真です。大きい方がPGシリーズユニコーンの手、小さい方がRGシリーズのガンダムMK-IIの手です。

手のひらと指の部分を見て頂くと、指の関節が曲がりそうなことが分かるかと思います。

ちなみに、小さい方(RG)の指は、私の器用さでは壊してしまいそうなので、あまり動かすことはしていません。うっかり力を入れすぎると関節部分(ボールジョイントとなっている)が外れてしまい、ポロポロと外れやすくなってしまうからです。

すごいと思うのは指が曲がるからだけではありません。この手のパーツのRランナーは、下図の様に1枚のランナーとして成形されています。

PGユニコーンの手のランナー

PGユニコーンの手のランナー

つまり、このランナーから上図左側の赤い部分を切ることにより、手のひらと指のパーツ(右手のパーツ)が切り離されます。

Rランナーから切り離した右手のパーツ(下図のR4)の指の向きを下図の様に変えていくと、手が完成します。

PGユニコーンの手の組立図

PGユニコーンの手の組立図

そして、この手の指は、ボールジョイントの様になっているので、指が曲がるのです。

下の写真は、PGユニコーンの指を曲げたところです。もっと曲げられますが、私の器用さでは指の関節部分が外れそうなので、この程度の曲がり具合となっています。

私でも、PGシリーズの手は大きいのでまだ何とかなるのですが、上述の写真「PGユニコーンとRGのガンダムMk-IIの手」で紹介したRGシリーズの手の指は、小さ過ぎてうまく曲げられません。

PGユニコーンの指を曲げた例

PGユニコーンの指を曲げた例

この手のパーツは、2種類の材料(ABSとPP)でできた2枚のランナーを組み合わせて、1枚のランナーとして成形されています。

下の写真は、切り離した後のランナーですが、切り離す前は、右側の写真のランナーに、取説の図「PGユニコーンの手のランナー」の様に手のパーツが成形されています。

PGユニコーンのRランナー(部品を切り離した後)

PGユニコーンのRランナー(部品を切り離した後)

このRランナーは、素材の違う2枚のランナーが重なってできています。上の写真の左側の2枚のランナーが、写真の右側のように上下に重なっています。

ランナーの成形は、型に樹脂を注入して作ります。

成型では、注入する際の温度、樹脂の注入速度、圧力などを調整します。型に樹脂を注入していくと、注入される樹脂の速度も温度も変わりますし、Rランナーを量産できる数多くの条件をどのように決めたのかとても興味深いです。

ガンプラの指の関節を一体どうやって成形しているのか、2枚のランナーを組み合わせて1枚のRランナーに仕上げているのか、想像してみるのもおもしろそうです。

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【参考】はかせのガンプラ作りに必要なもの

私のガンプラ作りは、

  • ランカーからパーツを切り離す。
  • ゲート跡が気になるパーツはデザインナイフで処理する。
  • 組み立てる。
  • 付属のシールを貼る。

これで、完成です。

使っている道具は、次の通りです。

  • ニッパー(タミヤ製の薄刃ニッパー No.35)
    • これはおすすめです。切るときの感触が好みです。
  • デザインナイフ(オルファ製)
    • パーツに残ったゲートの後処理
  • ピンセット、つまようじ&綿棒
    • シール貼りに必須です。

ちなみに、

  • ヤスリは合わせ目消しとかできないので、使っていません。
  • 塗装はできないし、前処理も必要ですし、技術もやる気もありません。

でもガンプラ作りは楽しいと思います。

まとめ

ここでは、ガンプラに使われている樹脂成形技術として、バンダイの4色成形機から作られる4色ランナー(イロプラ)と関節を持つ部品を1枚のランナーに成形した技術(多重インサート成型)について紹介しました。

なお、内容については技術的な裏付けがある訳ではなく、あくまでも私の個人的な考えなのでご注意ください。

ここで説明した主な項目は次の通りです。

  • プラモデル(ガンプラ:ガンダムのプラモデル)との再会
  • ガンプラに使われている樹脂成形機について
  • 4色成形のランナーとは
  • 4色ではなく違う素材を組み合わせて1枚のランナーを成形
  • 【参考】はかせのガンプラ作りに必要なもの
はかせ

振動制御を学んだおかげで、モデリングと制御系設計、実験・計測、CAEと幅広く学び、出会いとチャンスにも恵まれ工学博士になりました。
CAEが珍しくない今だからこそ、実験やリアルなモノづくりの体験がより重要になっていると考えています。

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