はじめての設計:寸法と補助線の基本 寸法の入れ方で変わる公差

図面に寸法線を入れることは、部品の寸法を決めるだけではありません。

公差やバラツキにも影響があり、寸法線の入れ方は設計者の意思を示す(公差を決める)ことでもあります。

前回は、寸法の表し方として、寸法補助線、寸法補助記号について説明しました。

設計意思を入れる、公差を意識して寸法を入れる方法には、直列寸法記入法と並列寸法記入法があります。

ここでは、直列と並列の寸法記入法と公差について説明します。

公差については、以下の記事もご参照ください。

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直列寸法記入法と並列寸法記入法

設計者は図面に寸法を入れる際、公差を意識しますが、まずは、直列寸法記入法と並列寸法記入法について説明します。

直列寸法記入法とは、下図の様に寸法を入れる方法です。

直列寸法記入法

直列寸法記入法

図1 直列寸法記入法

並列寸法記入法では、下図の様に寸法を入れます。

並列寸法記入法

並列寸法記入法

図2 並列寸法記入法

図1と図2の図面を比べると、全幅は140で同一です。

しかし、図中の青い部分の寸法20の公差は違ってきます。

直列と並列寸法記入法の違いは、下表の様に公差に影響があります。

直列寸法記入法各寸法公差が累積する。他の寸法公差の影響を受ける。
並列寸法記入法各寸法公差が独立している。他の寸法公差に影響を受けない。

直列と並列寸法記入法の公差による違いについて説明する前に、まずは、公差について説明します。

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加工寸法と公差

図面通りにできているか、加工後の部品の寸法を定規で測る場合を考えます。

下図は、青色の部品の寸法を定規で測るイメージです。

青色の部品の寸法を確認したところ、一見すると50ちょうどに見えます。

定規による寸法測定のイメージ

定規による寸法測定のイメージ

図3 定規による寸法測定のイメージ

次に、定規の50付近を拡大してみると、実際に加工された寸法は、下図の様に50よりも小さかったり、大きかったりします。

つまり、バラツキがあります。

寸法を読み取る部分を拡大したイメージ

寸法を読み取る部分を拡大したイメージ

図4 寸法を読み取る部分を拡大したイメージ

はかせ
はかせ

バラツキは、「ばらつき」が正しい言葉ですが、強調するため「バラツキ」を使っています。

このため、図面では公差を指定します。

公差とは、加工後の寸法がある範囲内であればよいと指定したものです。

上図の例であれば、例えば、「50±0.5」と図面に記載されていれば、図面で指定した寸法50に対し、加工後の寸法は最大値50.05から最小値49.5の間にあればよい(検査合格)ということです。

つまり、図面の寸法は、加工の目標値であると考えることができます。

なお、図面に公差が明記されていない場合、JISの「普通許容差」を適用します。

プラス公差とマイナス公差

50±0.5は、寸法50に対し、プラス側に0.5、マイナス側に0.5と同じ寸法公差であるということです。つまり、加工側はプラス側でもマイナス側でも中央狙いでもよいということです。

例えば、材料を削っていく加工(切削)の場合は、削り過ぎると不良品になり手直しもできませんので、プラス側に加工する場合が多いです。

また、公差をプラス側は「0(ゼロ)」、あるいはマイナス側は「0(ゼロ)」とする場合もあります。

幾何公差

単純に曲げ加工する場合には、2点間の寸法公差で特に問題ありませんが、立体的(幾何学的)な形状の公差を指示する場合には、幾何公差を使用します。

ソリなどの形状を厳密に指示する場合には、幾何公差が必要になります。

少々乱暴な例えになりますが、幾何公差が必要になってくるイメージを列挙します。

  • 2D CADで済むなら寸法公差だけで何とかなりますが、3D CADをつかった設計になると幾何公差の理解が必要になります。
  • 幾何公差の場合、基準点(基準座標)から形状を決めていきますが、2Dの図面では、各寸法は各々の相対的な位置関係からなっています。
  • 幾何公差はNCの工作機械を使う場合と同じ様な考え方だと思います。
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まとめ

図面に寸法線を入れることは、部品の寸法を決めるだけではありません。公差やバラツキにも影響があり、寸法線の入れ方は設計者の意思を示す(公差を決める)ことでもあります。

直列寸法記入法と並列寸法記入法という2つの寸法の入れ方と公差について、以下の項目で説明しました。

  • 直列寸法記入法と並列寸法記入法
  • 加工寸法と公差
    • プラス公差とマイナス公差
    • 幾何公差
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