日常生活で振動や騒音を意識することは少ないと思います。
意識していないからこそ気づかない、あるいは、気になったものの時間の経過と共に慣れてしまうこともあります。
そうかと思えば、気になる音や振動があると、いつまでも気になり続けることもあります。
一言で振動・騒音対策と言っても、実際には、
- 問題となっている音や振動を特定(主観があるのでなかなか難し)
- 音や振動をどの程度小さくするか、できるのかを分析(計測が重要)
- 定量化した音や振動のレベルとどこまで下げるか決める
- 音や振動の対策(いわゆる防音や防振対策)
- 対策の効果を定量的に判断
と、知識も、経験も、時間もかかるものです。
このカテゴリでは、身近にある振動・騒音と対策についてまとめています。
身近にある振動や騒音と対策
振動や騒音は、うるさい音(騒音)や変な音(異音)に気づくこと、つまり音から始まることが多く、騒音や異音がどこから出ているのか(発生場所)、なぜそこから出ているのか(発生原因)を調べます。
原因が分かれば次は対策です。音がきっかけで行う対策が振動対策である場合も少なくありません。ある部品が振動して、音となって聞こえるといったイメージです。
振動対策の1つに振動制御があります。振動問題では実験とシミュレーションの両方が必要かつ重要です。以下の記事をご参照ください。
振動の計測と解析を学ぶには
振動は難しいというイメージが強いのですが、体験から入る方法もあります。パスタブリッジは、少々専門的ですが構造設計について学ぶよい機会になると思います。
振動計測いろいろ
エンジン試験室と事務室の揺れについてのエピソード(失敗と成果?)
振動問題は、実際の現象を確認してみないと何とも言えないのですが、産業用車両のエンジン試験に関連する振動問題について、現象確認、原因と対策について紹介します。振動現象の把握、仮説を立ててそのために必要なデータを計測し分析することが重要です。
加速度センサーを積分アンプで変位(二重積分)にした波形がおかしい
振動の物理量としては、加速度、速度、変位があります。加速度センサーを使い振動の加速度を計測することが一般的ですが、変位を知りたいことも少なくありません。加速度、速度、変位と微分・積分との関係や積分アンプと変位についてのエピソード紹介します。
AI機能を搭載した計測器があると
久しぶりの計測だけでなく、いつもやっている計測でも思わぬミスをしてしまうことがあります。計測器(ソフトウェア)がそんなケアレスミスを防いでくれると、初心者もベテランも助かります。
音振の計測を失敗しないように助けてくれるAIを搭載した計測器は夢?
先日の人とくるまのテクノロジー展で「AIが助けてくれる音振計測器が欲しい」という声がありました。その場ではぼんやりとしか想像できなかったのですが、音振計測の経験を振り返り、「AIが失敗しないよう助けてくれる音振の計測器」についてまとめました。
航空機の実機による試験事例
航空機の実機を使った試験やCAEシミュレーションの事例をまとめています。
- マイクロホンアレイによる音響試験、振動・騒音の多点計測、輸送機の燃費改善や大型機の点検へのドローン利用など
航空機の実機による試験事例
モノづくりの設計・開発では、CAEによるシミュレーションのイメージが強いようですが、実機による試験も行われています。 ここでは、航空機の実機試験の事例についてまとめています。 航空機の詳細については、以下のブログをご参照ください。 F-15...
零戦の機体振動の参考書籍
振動の参考書籍「零戦の振動」:振動現象や振動解析(CAE)事例にも
Amazonで気になっていた「零戦の振動」を購入しました。機体の振動とエンジン・プロペラの振動について、専門的ですが分かりやすく書かれています。共振や機体の設計、事故原因の調査と対策など、振動対策は実験とCAEの両方が必要なことを学べる良書です。
共振現象の事例紹介
新幹線の架線部品(ハンガ)の振動(共振)による不具合
共振による不具合事例は、ニュースになることが少ないと思います。2022年12月18日に、東海道新幹線で停電による運転見合わせは、共振によるちょう架線の断線だったそうです。共振の原因と対策についてまとめました。
参考書:ハンマリング試験やCAE入門者向け応力解析
おかげさまで好評です。
Amazonへ:「ハンマリング試験から始めるモード解析入門」
Amazonへ:「FreeCADで始めるCAE設計入門」