トップガンと言えば長距離ミサイルと可変翼のF-14トムキャット

飛ぶもの(飛行機)の記事として、F-14トムキャットについてまとめてみました。

同世代の戦闘機としては、武骨なF-15、軽快さならF-16、そして、空母の艦載機として強力なレーダーと長射程のミサイルを搭載したF-14というイメージです。

さらに、F-14は可変翼というメカニック的にも凝った構造です。

以下、開発会社や米軍のWebサイトを調べてはみたのですが、あまり情報がないので、以下のWikipedia情報と米国海軍のWebサイトを元に説明します。

引用先:写真は米海軍のWebサイト(Resources > Photo Gallery)など

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F-14トムキャットとは

F-14のメーカーはグラマン社(現在はノースロップ・グラマン社)で、空母で運用される艦載機です。

はかせ
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F-14トムキャットというと「映画トップガン(1986年公開)の主役機」を私は思い出します。

F-14は、1973年より配備され始めましたが、車で言えばスーパーカーのイメージで非常に高額だったため、予定配備数から半分程度だったようです。そして、2006年には全機が退役となっています。

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F-14の特長と言えば長距離ミサイルと可変翼

私が興味をもったところを中心に、F-14の特長について説明します。

AIM-54 フェニックス(長距離空対空ミサイル)

F-14は最大6発のフェニックスミサイルを搭載することができます。

下図は、F-14から発射されたフェニックスミサイルの写真です。

F-14とフェニックスミサイル

020924-N-1955P-001 – At sea aboard USS George Washington (CVN 73) Sept. 24, 2002. Lieutenant West McCall F-14 pilot from Deland, Fla., and Lieutenant Kimberly Arrington, a Radar Intercept Officer from King, N.C., of Fighter Squadron One Zero Three (VF 103) “Jolly Rogers,” test fire a Phoenix air to air missile as part of an Annual Proficiency exercise. McCall and Arrington are assigned to Fighter Squadron 103, based in Oceana, Va. The Norfolk, Va.-based nuclear-powered aircraft carrier is participating in Exercise Med Shark during a scheduled six-month deployment. (U. S. Navy photo by Captain Dana Potts.)

図1 F14とフェニックスミサイル

出典:NAVY(米国海軍)<RESOURCES Photo Gallery>からの画像

写真のキャプションの英文をDeepLで和訳した結果は以下の通りです。

はかせ
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DeepLの和訳は、なかなかよさそうです。

020924-N-1955P-001

2002年9月24日、USSジョージ・ワシントン(CVN73)の海上で–フロリダ州デランドのF-14トムキャットパイロットであるウェスト・マッコール中尉とキングのレーダー迎撃士官であるキンバリー・アーリントン中尉は、地中海シャーク演習中の年に一度の習熟度テストの一環として、フェニックス空対空ミサイルの試験発射を行った。

フェニックスは海軍唯一の長距離空対空ミサイルである。複数の標的を処理する能力を持つ空中兵器管制システムである。地中海シャーク演習は、米海兵隊遠征部隊MEU/SOC(Special Operations Capable)がモロッコで実施する二国間訓練で、海兵隊航空地上機動部隊(MAGTF)の有効性を示すために実施された。ジョージ・ワシントンと乗艦した空母航空団17番艦(CVW-17)は6ヶ月間の予定で配備され、「不朽の自由作戦」と「サザンウォッチ作戦」を支援する戦闘任務に参加しています。ダナ・ポッツ少佐による米海軍の写真。

フェニックスミサイルは射程が200km超え、これを最大6発搭載できるのがF-14です。

つまり、空母から飛び立ちミサイル発射地点からさらに200km離れた目標にミサイルを発射できるということです。

目標を探知する高性能のレーダーと射撃統制システムと併せて1970年代に運用されていたわけで、当時の技術力のすごさを感じます。

コンピュータ制御の可変翼

下図は、F-14の可変翼を開いた状態が分かる写真です。

F-14 Tomcat Image Gallery

NASA Armstrong Flight Research CenterのF-14 Tomcat Image Gallery

図2 F-14 Tomcat Image Gallery

出典:NASAによるArmstrong Flight Research CenterのF-14 Tomcat Image Galleryからの画像

F-14の可変翼を開いた状態

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An F-14A Tomcat from the “Fighting Checkmates” of Fighter Squadron TWO ONE ONE (VF 211) prepares for a bombing run at Twenty Nine Palms Marine Corps Station. The aircraft is on a routine training mission and is loaded with four 500-pound bombs.
US Navy Photo by PH1(AW) Mahlon K. Miller

図3 F-14の可変翼を開いた状態(下面)

出典:NAVY(米国海軍)<RESOURCES Photo Gallery>からの画像

同じく、写真のキャプションの英文をDeepLで和訳した結果は以下の通りです。

960717-N-0226M-001

カリフォルニア州トゥエンティナイン・パームス(1996年7月17日)–。(July. 17, 1996) — 戦闘機中隊ツーワンワンワン(VF-211)のチェックメイトに配属されたF-14A「トムキャット」が、トゥエンティナインパームス海兵隊基地で爆撃の準備をしている。同機は日常的な訓練任務中で、MK-82 500ポンド爆弾4発を搭載している。アメリカ海軍の写真は、写真家の一等航海士マーロン・K・ミラー氏によるものです。

F-14の可変翼は、飛行中に搭載されたコンピュータにより自動的に主翼の後退角を変化させることができます。

可変翼の後退角は20度から68度の範囲に動かすことができ、図2や図3を見ると見た目でもかなり大きく変化していることが分かります。

下図は、F-14の可変翼が後退した状態を確認できます。

F-14の可変翼が後退した状態

F-14の可変翼が後退した状態

図4 F-14の可変翼が後退した状態

出典:WikiImagesによるPixabayからの画像(トリミングしています。)

可変翼のメリットとしては、次の様なことが考えられます。

  • 空母からの発艦や着艦などで可変翼を広げて揚力を稼ぎます。
  • 高速飛行の場合には、可変翼を後退させて空気抵抗を減らします。
  • 接近戦による機体速度の低下などで失速しそうになると可変翼の後退角を変化させ失速を防ぐことができます。
  • F-14は艦載機なので可変翼を閉じることで格納スペースを小さくすることができます。

デメリットとしては、

  • 可変機構を組み込むことによる重量、コストの増大
  • メンテナンス性
  • 製造費用

などが考えられます。

可変翼を支える構造材はチタン製で材料費も加工費も高そうです。

参考:チタンの3Dプリントのスーパーカーへの利用例

チタンというこ航空宇宙産業がメインですが、最近はチタン材の3Dプリンタも実用化されています。

はかせ
はかせ

航空宇宙産業から自動車(スーパーカー)へ、チタン素材の加工から3Dプリントへ。

時間と共に技術の普及は進むのですね。

昭和で言えばスーパーカーの「BUGATTI Bolide」がそれで、チタンの3Dプリントについてのプレスリリースと、Bolideのリンク先は以下の通りです。

2021.1.21 BUGATTI REFINES 3D PRINTING PERFECTION WITH ACCURACY AS FINE AS 0.1MM

Bugatti refines 3D printing perfection
The French luxury brand is expanding its technological leadership with the development of highly accurate 3D-printed components used to make the Bolide

Bolideのページ

BUGATTI Bolide
With the study of the Bugatti Bolide, the French luxury car manufacturer is presenting a new and unique vehicle concept for the Bugatti performance kick.
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F-14の歴史とその他のキーワード

F-14の歴史とその他のキーワードについて説明します。

F-14の歴史(運用期間)

  • 1973年:配備開始

F-14はもともと空対空戦闘に特化した戦闘機(艦載機)でしたが以下の様な改修も行われています。

  • 対地攻撃能力の付与
  • 偵察ポッドによる偵察能力の付与

F-14は、高性能ではあったものの複雑なメカニズムなどにより、高コストとメンテナンス性には難があったようです。

  • 2006年 アメリカ空軍のF-14は全機退役

リフティングボディ

リフティングボディとは、胴体そのものが翼の様に揚力を発生させる形状の胴体のことです。

F-14であれば、主翼前方にある固定翼と後部胴体部分で揚力を発生させる平たい胴体のことです。

F-14ではリフティングボディとすることで、急激な機首上げを行った場合の荷重が胴体部にかかり、主翼に大きな負担がかからないメリットがあります。

はかせ
はかせ

リフティングボディは、設計問題としてもなかなか面白そうなテーマだと思います。

トップガン(TOP GUN)

トップガン(TOP GUN)とは、アメリカ海軍戦闘機兵器学校(United States Navy Fighter Weapons School)の通称です。

正確ではないと思いますが、ミサイルが実用化され空戦能力(ドッグファイトなどの接近戦)の操縦技術を高めることをその目的の1つとしたスペシャルな戦闘機乗りを育てる学校だと考えています。

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F-14の運用イメージ(想像)

F-14の運用を想像してみました。

  • 攻撃目標を発見すると、いち早くF-14は空母から発艦します。
  • フェニックスミサイルの発射予定地点に向け、可変翼を最大限に後退させ高速で飛行します。
  • ミサイル発射地点に近づき、補足した目標が射程内に入るとミサイルを発射します。
  • ミサイル発射後は、空母に戻る。

こんなイメージなのでしょうか。

映画トップガンでは迫力のあるドッグファイトも見どころでしたが、実際の運用です。

  • 長距離レーダーで敵機を補足すると、即ミサイル発射。
  • 敵機はF-14を見つけることなくミサイルで撃墜される。

とても静かですが背筋が凍るようなイメージの方が近いのかもしれません。

写真で見るF-14トムキャット

古い機体になるのでなかなか写真が見つからなかったのですか、記事公開後に見つけた写真を紹介します。

どこで撮影した写真かは分からなかったのでご了承ください。

F-14トムキャット:斜め前方から

F-14トムキャット:斜め前方から

図5 F-14:斜め前方から

出典:Fabio SassoによるUnsplashからの画像

正面からの写真です。主翼を後方に下げた状態です。

F-14トムキャット:正面

F-14トムキャット:正面

図6 F-14トムキャット:正面

出典:Fabio SassoによるUnsplashからの画像

図7 F-14トムキャット:背面

出典:Fabio SassoによるUnsplashからの画像

図8 F-14トムキャット:編隊飛行(3機)

出典:boatguyによるPixabayからの画像

まとめ

F-14トムキャット、1973年より配備され2006年には全機が退役となっている古い機体なので、Wikipediaの情報が一番充実しているようです。

タミヤからプラモデルも出ているのですが、飛行機のプラモはガンプラのように組み立てるだけでは残念な出来映えになってしまうので購入はしていませんが、実機の形状や可変翼の構造を見るにはよいと思います。

ここでは、F-14トムキャットについて以下の項目で説明しました。

  • F-14トムキャットとは
  • F-14の特長と言えば長距離ミサイルと可変翼
    • AIM-54 フェニックス(長距離空対空ミサイル)
    • F-14のコンピュータ制御の可変翼
  • F-14の運用イメージ(想像)
はかせ

振動制御を学んだおかげで、モデリングと制御系設計、実験・計測、CAEと幅広く学び、出会いとチャンスにも恵まれ工学博士になりました。
CAEが珍しくない今だからこそ、実験やリアルなモノづくりの体験がより重要になっていると考えています。

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