ガンプラで使えないかと購入したワイヤレスLEDが点灯する原理について勉強中です。
右ねじの法則(電流と磁界の向き)と電磁誘導(ファラデーの電磁誘導の法則)については、以下の記事で説明しました。
どうやら、購入したワイヤレスLEDは、トランスの1次コイルと2次コイルによる電磁誘導と同じ原理で点灯しているようです。
ここでは、トランス(変圧器)と電磁誘導について説明します。
トランス(変圧器)とは
例えばUSB充電器(ACアダプタ)は、家庭用の交流(100V)から、直流(5V)に電圧を変えています。この電圧を変える働きをしている部品がトランス(変圧器)という部品です。
トランスの基本的な構造は、とても簡単なものです。
下図にトランスの基本的な構造のイメージ図を示します。
図1 トランスの基本的な構造のイメージ
トランスは、コアと呼ばれる鉄芯に2つのコイルを巻き付けた構造です。
上図の1次コイル:電源側(コンセント側)
上図の2次コイル:負荷側(充電器側)
1次コイルと2次コイルは、同じ鉄心に巻きつけられていますが、電気的にはつながっていません。
上図の通り、鉄心(コア)は共通なので、トランスの仕組み(動作原理)は、以下のイメージになります。
- 1次コイルに電流を流す(電圧をかける)
- 電磁誘導で1次コイルによる磁界が発生する
- 磁界を利用して2次コイルに磁界が発生する
- 2次に電流が流れる(電圧が発生する)
なお、2次コイルに発生する電圧は、1次コイルと2次コイルの巻数によって決まってきます。
(2次コイルの電圧)=N1÷N2×V1
ただし、
N1:1次コイルの巻数
N2:2次コイルの巻数
V1:1次コイルに加える電圧
1次コイルにつながっていない2次コイルの電圧発生の仕組み
USB充電器(ACアダプタ)では、100Vの交流が5Vの直流に変換されています。
トランスに直流を加えると、電磁石となります。
次に交流を加えた場合を考えてみます。
家庭用のコンセントは交流100Vで、その周波数(サイクル)は、東日本では50(Hz)、西日本では60(Hz)となっています。つまり、東日本では50(Hz)、1秒間に50回のサイクルで電圧がプラスからマイナス、マイナスからプラスへと変化切り替わっています。
したがって、トランスに加えられた電流により発生する鉄芯(コア)内の磁束の向きも同じサイクルで変化します。
したがって、直流を加えた時には電磁石になるトランスに交流を加えると、電磁石としては使えません。
ところで、下図の様にコイルの中で磁石の出し入れをすると電圧が発生します(電圧系のメーターが、プラス側、マイナス側に振れます)。
これがレンツの法則です。
図2 レンツの法則のイメージ
トランスに話を戻します。
トランスに交流を加えた場合、コア(鉄芯)を介して次の様な理由で2次コイルに電圧が発生します。
- 1次コイルに交流を加える。
- 1次コイルに磁界(磁束)が発生する。この磁界は切り替わる。
- コアを介して、2次コイルの磁界(磁束)が切り替わる。
- 2次コイルに電圧が発生する。
これが電磁誘導よる現象で、「ファラデーの電磁誘導の法則」です。
なお、2次コイルに発生した電圧は交流なので、用途に応じ整流して直流に変えます。
購入したワイヤレスLEDが点灯する仕組み?
購入したワイヤレス給電ユニットにインダクタとLEDを組み合わせて点灯することを確認しました。
インダクタは、電気エネルギーを磁気で蓄えることができる部品で、基本的には導線を巻いたモノ、コイルです。
ワイヤレス給電ユニットから得た磁界(磁束)をこのコイルで受け、LEDを点灯させていると考えています。
ワイヤレス給電ユニットは、駆動周波数が60kHzなので、波形を見るにはオシロスコープが必要ですが、このためだけに買うのも何なのでまたの楽しみとしています。
購入候補:秋月電子通商
[M-12972] DSO Shell 200kHz (DS0150)
LED点灯実験については、以下のリンク先をご覧ください。
まとめ
ガンプラで使えないかと購入したワイヤレスLEDが点灯する原理について勉強中です。どうやら、トランスの1次コイルと2次コイルの電磁誘導と同じ原理で、ワイヤレスLEDが点灯しているようです。
ここでは、トランス(変圧器)と電磁誘導について以下の項目について説明しました。
- トランス(変圧器)とは
- 1次コイルにつながっていない2次コイルの電圧発生の仕組み
- 購入したワイヤレスLEDが点灯する仕組み?