レンタカーやカーシェアリングの普及により、同じ様な大きさ(クラス)でも違う自動車メーカーの車に乗る機会が増えていると思います。
基本的な機能や操作性はほぼ同じなのですが、実際にレンタカーを利用していてとまどったことがあり、仕様と優先順位について考えさせられる経験を紹介します。
ここでは、特に車のスタート時(走り出した時)に気になったアイドリングストップについてまとめています。
特に発進時のアイドリングストップによる違和感が意外に大きいことに、実際に経験するまで気づきませんでした。
2021年10月、マツダのSKYACTIVは別物でした。
レンタカーで発進時にガクン!となってしまう!なぜ?
レンタカーの手続きが終わり走り出すと、
発進時にガクン!
となってしまう。
慣れていないせいだろうと思い、
アクセルペダルを優しく「そぉ~っと」踏むが、ガクン!!
どうしてもガクンとなってしまう。
信号や一時停止で何度か繰り返すうちに、
原因は、アイドリングストップか!!!
と気づきました。
アイドリングストップで困ったこと
アイドリングストップで困ったことについて説明します。
停止する場合、
- ブレーキを踏む
- 車が止まる
- アイドリングストップ機能が作動する
- エンジンが止まる
というプロセスとなり、止まる時には特に問題ありません。
また、エンジンがかかっていれば、アイドリングストップの付いていない車と同様の操作性です。
(私にとっての)問題は、エンジンが止まった状態から、走り出す場合に発生します。アクセル踏み始めと実際に車が動かすタイミングとの差、タイムラグのことではありません。
アイドリングストップの状態からから車が動き出すまでの遅れ、タイムラグになります。
アイドリングストップ車の発進時は、次のようになります。
- エンジン停止状態
- ブレーキペダルを離す
- エンジン始動
- クリープ状態(車によっては、ブレーキを踏まないとわずかに動き出す場合もあります)
- アクセル踏んでスタート
アイドリングストップ車でなければ、
- ブレーキペダルを離す
- クリープ状態(車によっては、ブレーキを踏まないとわずかに動き出す場合もあります)
- アクセルを踏んでスタート
文字にすると伝わりにくいかと思いますが、端的に言うと以下の状態における時間がタイムラグとなります。
アイドリングストップ車でエンジンが止まった状態から、エンジンが再始動し、走り出す準備が完了するまでの時間
このため、結果的に次のような理由でガクン!となると考えています。
走り出す準備のできていない状態でアクセルを踏むことになり、エンジンが始動した時にはアクセルを踏んでいるためガクン!となる。
また、発進時のアクセル操作(アクセルペダルを踏む力加減の違い)も自動車メーカーにより違います。A社とB社とでは、同じクラス(大きさ)の車でも比べると次のような違いがあります。
- A社の車は、ペダルを軽く踏むだけで動き出す。
- B社の車は、ある程度ペダルを踏み込まないと動き出さない。
このアクセルの踏み具合の違いの影響(B社に慣れていたこと)を考慮しても、アイドリングストップがなければ、
A車の場合でも、そ~っとアクセルを踏むようにしていれば、滑らかに発進することができました。
ところが、アイドリングストップ車だと、いつものように発進すると、
アイドリングストップ状態からアクセルを踏むため、ガクン!
となってしまいました。
そのうち運転になれてくると、「ガクン!」を避けるためには次のようにすればよいことが分かりました。
アイドリングストップ状態から、発進前にブレーキを緩めてエンジンを再始動する。
この様にひと手間をかければ、ガクンとならずに発進できるようにはなったのですが、すっきりしない思いは残りました。
アイドリングストップによる燃費改善と発進時の操作性
アイドリングストップと始動時の操作性について、改めて考えてみると、燃費と操作時性(手間)とのトレードオフが発生していることになります。
おそらく、製品としては燃費を優先したと思われます。
1日で200kmほど乗りましたが、アイドリングストップ車の燃費はとても良かったです。
しかし、操作性としては、発進の都度次の様なひと手間が増えました。
- ブレーキを緩めてアイドリングストップを解除して、エンジンを再始動させる。
こうすることで、前の車の動きに合わせて発進がすることができるようになり、前の車に出遅れてしまうこと(前の車に追走できず、車間が開いてしまうこと)がなくなりました。
つまり、
- アイドリングストップによりエンジンが止まっている。
- 前の車についていこう発進する(アクセルを踏む)が、エンジンが始動して動き出すまでにタイムラグがある。
- (無意識の内に)アクセルを強めに踏む。
- 車の発進がガクン!となる。
となっていたのですが、
発進時に前の車についていくのはあきらめる。
ことができず、結局「何か違うよな」と思いながら次の様にしていました。
意識的にエンジンを始動させる。
つまり、
前の車が発進しそうになると、ブレーキペダルを緩めてエンジンを再始動させる。
ことでスムーズに発信できるようになりました。
結局、私の場合にはアイドリングストップで燃費はよくなったいるのでしょうが、正直ひと手間増える結果になり「やれやれ」思いながらひと手間加えるか、スムーズな発信をあきらめるしかなかったのでした。
便利さの落とし穴
アイドリングストップで燃費は良くなったが、スムーズに走り出したいのにひと手間増えてしまう。
確かに燃費は素晴らしかったし、エンジンを切る以上に燃費をよくする手はないことも理解してはいるのですが、納得はできず仕方ないなと受け入れるしかありません。
少々意地悪な書き方をすれば、
燃費を優先して発進時の操作性を落とした。
ということになります。
様々な仕様の優先順位を決定することは簡単ではないのですが、使用者にとってよく使う機能や場面での操作性悪化は、とても目立ってしまうのも事実です。
メーカーによっては、「アイドリングストップをOFFにするスイッチがついている車」もあります。
例えば、「アイドリングをいつ止めるのか」を組み込むとした場合、車が使われる様々な環境や条件に対応させることは、単純ではないことが想像はできますので。「運転手の判断でアイドリングストップをOFFにできる」ようにすることも、1つの手法ではあるなとは思います。
これまで説明してきたように、アイドリングストップには、バックモニターでも感じた便利さと落とし穴がありました。
バックモニターについては、以下の記事をご参照ください。
自動運転についても同様です。
運転手が必要な自動運転は、あくまで補助です。どこまですすんでも運転手をサポートする範囲は超えない自動運転です。
しかし、運転手は人であるが故に自動運転による補助に慣れていきます。そして、その自動運転が優れていれば優れているほど、自動運転に補助されていること自体を忘れてしまいます。
自動運転もソフトウェア、優れたAIを使っても想定範囲はあります。想定外は限りなく小さくなるものの完全には無くならないものです。
私は、車であれば想定外の範囲を超えた場合の挙動が、安全側に振られていないといけないと思うのですが、考えれば考えるほど現実味がなくなり、何を考えているのか分からなくなってしまいます。
私が運転手不要の自動運転でなければ、使いたくないと思う理由の1つです。
マツダのSKYACTIVのアイドリングストップは流石の仕上がり(2021年10月)
2021年10月、レンタカーでマツダのSKYACTIV搭載車を運転しました。
1日乗っただけですが、アイドリングストップもこれならOFFにしなくてよいと感じましたので追記しておきます。
乗り始めて、アイドリングストップが効いているようなのですが、停止すれば必ずエンジンが止まるわけではないのです。
どうやって判断しているのかは結局分かりませんでしたが、ある程度長い時間停止している時には、エンジンが切れるようになっていました。
そして、もっと驚いたのがアイドリングストップ状態から再始動までのレスポンスです。言葉で説明しにくいのですが、停止状態からブレーキを話してアクセルペダルと踏む時にはエンジンが回っていて、スムーズに発進できると感じました。
マツダのSKYACTIV、車関係の技術で久しぶりに感動レベルの驚きを感じることができました。
まとめ
ここでは、アイドリングストップ車に乗って改めて考えさせられた燃費と操作性の優先順位について、以下の項目で説明しました。
- レンタカーで発進時にガクン!となってしまう!なぜ?
- アイドリングストップで困ったこと
- アイドリングストップによる燃費改善と発進時の操作性
- 便利さの落とし穴
- マツダのSKYACTIVのアイドリングストップは流石の仕上がり(2021年10月)