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基本的な振動モード形:平板の固定なし(境界条件フリー)の場合

基本的な振動モード形

振動モード形については、振動モード形と計測点の選定については簡単に説明しました。

ここでは、基本的な振動モード形として、平板の固定なし(境界条件フリー)の場合の振動モード形状について説明します。

実験モード解析では、平板を吊ったり、スポンジ等にのせてハンマリング試験を行います。

【参考】計測対象物の支持方法

【参考】基本的な振動モード形

平板の1辺を固定した場合

平板の両端を固定した場合

平板の周辺固定の場合

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解析対象について

ここでは、140x40x5 mmのアルミニウム合金製の平板についてFreeCADの固有値解析を行い作成した振動モード形について説明します。

FEMの解析座標系の自由度と剛体モード

FEMの解析座標系における自由度は、下図に示すX、Y、Z軸の並進の3自由度に加え、各軸周りの回転3自由度の合計6自由度になります。

解析座標系

このため、ここで紹介しているように境界条件フリーの固有値解析では、1次から6次までの6個の振動モード形は、剛体モードと呼ばれ振動モードとしては意味のないモード形となります。

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振動モード形の一覧

下表に、1辺を固定した平板の7次~20次までの振動モード形の一覧を示します。

1~6次の剛体モードは除いているため、7次モードが1次の振動モードを意味していますが、FreeCADの解析結果で得られるモード次数を使い説明します。

下表のモード形状の読み方は一例です。
モード次数 モード形状(長手/短手方向)
7 曲げ 1次 / 変形なし
8 ねじり 1次
9 曲げ 2次 / 変形なし
10 ねじり 2次
11 曲げ 3次 / 変形なし
12 平面曲げ 1次
13 ねじり 3次
14 曲げ 4次 / 変形なし
15 ねじり 4次
16 16次モード
17 伸び縮み
18 18次モード
19 平面曲げ 2次
20 20次モード
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振動モード形

棒状のモノであれば、振動モード形状は線で表されるため、「振動モード形と計測点の選定」で説明した考え方で見ていきます。

平板の振動モード形の基本は、曲げモードです。

ここでは、平面の振動モード形を、平板の長手方向と短手方向からのモード形状の組み合わせとして見ていきます。

この他に共振周波数(固有振動数)で見ていくこともあります。

7次モード

7次モード

7次モード:長手方向

振動モード形としては、平板の両端固定の場合の振動モード形と同じような形になります。

8次モード

8次モード

8次モード:長手方向

9次モード

9次モード

9次モード:長手方向

10次モード

10次モード

10次モード:長手方向

11次モード

11次モード

11次モード:長手方向

12次モード

12次モード

面内の振動モードです。実験モード解析で可視化するには、計測の工夫が必要になります。

13次モード

13次モード

13次モード:長手方向

14次モード

14次モード

14次モード:長手方向

15次モード

15次モード

15次モード:長手方向

16次モード

16次モード

16次モード:長手方向

このあたりから長手方向と短手方向の振動モード形の組み合わせが難しくなってきます。

17次モード

17次モード:伸び縮み

17次モード:伸び縮み

長手方向の伸び縮みの振動モード形です。

18次モード

18次モード

18次モード:長手方向

19次モード

19次モード

面内の振動モードです。

20次モード

20次モード

20次モード:長手方向

まとめ

ここでは、基本的な振動モード形として、平板の固定なし(境界条件フリー)の場合の振動モード形状と剛体モードについて説明しました。

はかせ

サイト管理人で記事も書いているモノづくり会社の品証の人。
振動制御で工学博士なれど、いろいろ経験して半世紀。
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