実験とシミュレーションの結果が違ったらどうしますか?

はかせ
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実験とシミュレーションの結果が違った時、どうしますか?

実験をしていても、シミュレーションをしていても、予想していた結果ではなく、意外な結果が出ることがあります。

そのような時に、どのように考えますか?

ありがちですが、「実験の方が正しい」、「いや、シミュレーションの方があっている」となると妥協点(合意点)がなくなってしまいます。

どちらが正しいという話ではないのですが、こんな時の私の考え方について説明します。

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実験もシミュレーションも制約があります

シミュレーション結果を実験で確認する

シミュレーション結果が解析目的にそった答えとなっているかを実験で確認する場合を考えてみます。

シミュレーション結果が実験と一致しない場合をどこまで考慮できているか、見落としていないかがポイントになると思います。いくつか列挙してみます。

  • 3D CADでは見落としていた細部のR部分の影響
  • 固定条件の違い
  • 解析モデルでは均一材料としている

また、シミュレーションと実験結果の違いから、解析条件や解析方法(アルゴリズム)を見直すきっかけとなることもあります。

実験結果をシミュレーションで確認する

実験結果が実験の目的にそった答えとなっているかをシミュレーションで確認する場合を考えてみます。

実験とシミュレーションとの差異が出た場合、まずは、材料の物性値や解析条件を見直します。

  • 解析条件が実験条件や実物と違っているのはどこか
  • 解析で考慮できない条件はないのか

実験とシミュレーションのどちらから確認すれば?

実験とシミュレーションのどちらからでも、得意な方(予想外の結果が出た時に取り組みやすい方でよいと思います)を基準にします。

おそらく、実験とシミュレーションの両方の結果を考慮して結論を出している人は、実験とシミュレーションの制約を知ったうえで、使える(結果を信頼できる)範囲で、使っているのだと思います。本人は意識していないかもしれませんが、周りで見ている人は意外に気付いているのかもしれません。

例えば、実験主体の人であれば、同一の解析をシミュレーションで行い、実験結果とシミュレーションの結果が同じような傾向を示しているか確認します。

実験とシミュレーションの双方について知っているだけで、すべては分からなくても、実験結果に与える解析条件や、シミュレーションでは当たり前のことが実験結果には大きい影響を与えることなどに気付きやすくなります。

シミュレーションが実験の傾向と一致していることを確認できれば、その実験や解析条件の範囲で、全て実験でやっていたことについてシミュレーションの量を増やしていきます。これを進めていくと、実験の種類や回数を減らすことができます。

つまり、シミュレーション主体、実験主体の人がやっていることを、バランスよくミックスして実施していることになります。

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実験とシミュレーションに何を求めるか

実験結果とシミュレーション結果が違う場合、実験とシミュレーションの両方とも間違っているわけではありません。

与えられた条件での実験結果、設定した条件での解析結果が、それぞれ出ているわけで、実験とシミュレーションの結果が違うことは別の話になります。

例えば、シミュレーションの目的にしても、シミュレーション結果が実験と合う・合わないと言っている場合には、次のように2つに分けることができます。

  • シミュレーション専任者によるシミュレーションの精度を追求している場合
    • 現物の代わりとしてシミュレーションを使う
  • シミュレーション結果を開発の参考データとして利用する場合
    • 試作試験削減のためにシミュレーションで傾向をつかむ

シミュレーションは、プログラム通りの結果を出しているだけで、プログラムに組み込まれた処理内容(アルゴリズム)は、事前に検証されています。

実験は、あるがままの状態で、試験条件に応じた結果を返します。実験では、想定外の外乱やノイズ(これも様々ですが)の影響もあります。

一例ですが、振動の可視化について考えてみます。

実験モード解析と固有値解析結果は、条件をそろえれば基本的な形状のモノについては、それほど深く考えずとも同様の結論となりますが、結論に至る過程は下図のように異なります。

実験モード解析とFEM(固有値解析)の比較

シミュレーションならではのメリットもあります。例えば、固有値解析の方が、計測できていない振動モード形を知ることもできます。

同様に実験では、実現象を観察することにより今まで気づかなかった現象に気づくこともある。

このように、実験とシミュレーションの結果が合う・合わないと悩む音ではなく、実験とシミュレーション双方を目的に応じうまく利用するという考え方がよいと思います。

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さて、実験とシミュレーションどちらを正とする

さて、最初の質問に戻ります。

はかせ
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実験とシミュレーションの結果が違った時、どうしますか?

この答えは、実験とシミュレーションの結果が違った時に、どう考えるかということでもあります。

ケースバイケースと言えばその通りですが、私の場合は、まず実験結果がその現象を現していると考えます。

次に、シミュレーションでは何かが現物、実現象と違っていたと考えます。この理由についてシミュレーションで再現できるとなお良いと考えます。

かつて卒業研究の実験をしていたある学生から、次の様な質問をされたことがあります。

シミュレーションと実験結果が合わないのは、実験で何か間違えていると思うのですが・・・。

シミュレーションが正しいとする理由に、ソフトで計算した結果だから(計算・処理に人が関わっていないが、実験は人がやっているから)というのは、正直なところどうもいただけない。

シミュレーショは、ソフトウェア(プログラム通り)の計算、処理をしているだけであり、それ以上でもそれ以下でもない。

実験結果は、その条件での現実の結果を示しているのだから、これを否定するのではなく、なぜシミュレーション結果と一致しないのか疑問に思わないのかが意外でした。

シミュレーションは、全ての実現象、条件、現物を含めているわけではなく、あくまでも実用的に使える条件で使っているということが前提だと考えているからです。

まとめ

ここでは、実験とシミュレーションの結果が違うときどちらが正しいかについて私の考えをまとめようとしましたが、まとまりのない文章になってしまいました。

結論としては、実験とシミュレーションの結果が違うときは、「なぜ、違うのか」を考えればよいということになります。

はかせ

振動制御を学ぶことで実験・計測とCAE、モデリングに制御と幅広く学び、出会いとチャンスにも恵まれ工学博士になりました。
CAEが珍しくない今だからこそ、実験やリアルなモノづくり体験が必要だと考えています。

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実験と計測有限要素法(FEM)
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