米国空軍によるF-15EXイーグルIIの運用試験が続いています。
2023年1月4日に米国空軍のWebサイトで公開された情報によると、2022年11月29日に、2機のF-15EXイーグルIIによる新しいウェポン・ステーションからのミサイル発射試験に成功しました。
主に米国空軍のWebサイトで公開された情報から、「F-15EXイーグルIIの新しいウェポン・ステーションからのミサイル発射試験」について紹介します。
ミサイル発射試験の概要
2022年1月、F-15EXイーグルIIから初めての実弾ミサイル発射試験が成功しました。
図1 F-15EXイーグルIIからの発射試験
出典:EGLIN AIR FORCE BASE(米国空軍)のWebサイトからの画像
この時のミサイルは、AIM-120D AMRAAM(Advanced Medium-Range Air-to-Air Missile)です。(アムラームと呼ばれています。)
下図は、武器を搭載する競技会(weapons load competition)において、AIM-120を運んでいる写真です。
AIM-120の形状と大きさをイメージできるかと思います。
図2 F-15へのAIM-120の搭載
出典:EGLIN AIR FORCE BASE(米国空軍)のWebサイトからの画像
発射試験の目的
2022年11月の発射試験では、F-15EXイーグルIIで新設されたウェポン・ステーションから以下のミサイルの発射試験が行われました。
- ウェポン・ステーション1から、AIM-120 AMRAAM(アムラーム)
- ウェポン・ステーション9から、AIM-9X Sidewinder(サイドワインダー)
この試験は、F-15EXイーグルIIが12機の空対空ミサイルを搭載できることを実証するための重要なステップとなっています。
F-15EXイーグルIIは、従来のF-15シリーズから多くのアップグレードがなされていますが、ウェポン・ステーションの増設はその1つです。
これまでのF-15シリーズでは、空対空ミサイルを8発搭載可能でした。
F-15EXイーグルIIでは、両翼端に4つのミサイル用ステーションを追加することにより、最大12発搭載可能となっています。
今回のミサイル発射試験の成功により、F-15EXイーグルIIでアップグレードされた空対空ミサイルの搭載及び運用能力を実証する試験の第一歩をクリアしたことになります。
発射試験のもう1つの狙い
今回の発射試験において、2機のF-15EXイーグルIIは、標的のドローンに対して別々の経路でミサイルを発射することに成功しています。
これは、F-15EXイーグルIIの開発試験プログラムにおける、もう1つのマイルストーンにもなっています。
今後の試験と統合試験戦略について
今回のF-15EXイーグルIIによる空対空ミサイル発射試験成功により、統合開発・運用試験を進めていくことになります。
F-15EXイーグルIIの開発・運用試験では、開発試験と運用試験を統合して進める新たな取り組みがなされています。
この取り組みは統合試験戦略(The integrated test strategy)と呼ばれており、従来よりも短期間でより良い成果(この場合、より良いF-15EXイーグルIIの量産)を実現を期待できます。
F-15EXイーグルIIの初期試験が終わると、実戦配備されたF-15EXイーグルIIに12発のミサイルを搭載して運用できるようになります。
F-15EXイーグルIIの運用試験のスケジュール感は分かりませんが、順調に(計画通り)進んでいると考えています。
まとめ
2022年11月29日に、2機のF-15EXイーグルIIによる新しいウェポン・ステーションからのミサイル発射試験に成功しました。
今後も、F-15EXイーグルIIの開発・運用試験では、開発試験と運用試験を統合して進める新たな取り組みを進めていくことになります。
主に米国空軍のWebサイトで公開された情報から、「F-15EXイーグルIIの新しいウェポン・ステーションからのミサイル発射試験」について以下の項目で紹介しました。
- ミサイル発射試験の概要
- 発射試験の目的
- 発射試験のもう1つの狙い
- 今後の試験と統合試験戦略について