F-16ベースという割に一回り大きい航空自衛隊のF-2支援戦闘機

F-2支援戦闘機(英語ではF-2 Support Fighter)は、航空自衛隊の多用途戦闘機です。

F-16をベースにして日米の共同開発により生まれた戦闘機です。開発及び生産を担当した主な会社は、三菱重工業株式会社とロッキード・マーティン社です。

ここでは、主にロッキード・マーティン社のWebサイトの情報を元にF-2について説明します。

F-2 Support Fighter
The F-2 Support Fighter is a multi-role, single-engine fighter aircraft produced for the Japan Air Self-Defense Force (JASDF). 
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開発の経緯:FS-XからF-2へ

F-2開発は、1988年の次期支援戦闘機FS-Xから始まります。関連する主な会社は、三菱重工株式会社、ロッキード・マーティン社、川崎重工株式会社、富士重工業株式会社で、F-16をベースとした開発が進みました。

F-2の開発を時系列で追ってみます。

F-2の開発
  • 1988年
    FS-Xとして開発スタート
  • 1995年
    F-2の試作機初飛行
  • 1996年
    F-2試作初号機納入
  • 2000年
    F-2の量産初号機納入
はかせ
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1996年頃、各務原(岐阜県)で仕事をしていた時にF-2が飛んでいるのを見ました。

実際に見るのはこれが最初で最後になりましたが、青い(多分)F-16のイメージを思い出します。

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F-2とF-16との違い

F-2 A/BとF-16 C/Dの主な違いを下表にまとめました。

F/2のAとB、F-16のCとDは、それぞれ単座と複座の違いがあります。

参考までにF-15J(航空自衛隊)のデータを加えています。

はかせ
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F-2の開発費は予定を大幅に超えF-15に近いレベルになったとの記事もみかけますが、単純に比較計算できるようなものでもないと考えています。

 F-2 A/BF-16 C/DF-15J
乗員(単座/複座)1人/2人1人/2人1人/2人
全長15.5 m15.0 m19.4 m
全幅11.1 m9.4 m13 m
全高5.0 m5.1 m5.6 m
エンジンF110-GE-129F100-PW-220F100-PW(IHI)-220E 2基
最大速度マッハ約2.0マッハ2以上マッハ約2.5

F-16との主な違い(改造された部分)を列挙します。

  • 旋回性能の向上のため主翼面積を増やした。
  • 軽量化のため先進材料や先進構造を取り入れた。
  • エンジンを推力向上型に変更(IHI製)
  • 最新レーダーなど先進の電子機器を採用

主な武装は、次の通り。

  • 20mm機関砲
  • 空対空レーダーミサイル
  • 空対空赤外線ミサイル
  • 空対艦ミサイル(4発搭載可能)

参考Webサイト:航空自衛隊ホームページより

ホーム > 主要装備 > F-2A/B > 写真ダウンロード

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F-2の特長

F-2は、F-16ファイティング・ファルコンの設計をベースにしており、空対空と空対地の両方の役割を果たすことができます。

F-2の空対地能力は、日本のシーレーンを守るためにF-16では実現できなかった空対艦ミサイル4発を搭載することができます。これはF-16では実現できず、大型化が必要な大きな理由だったようです。

はかせ
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F-2が空対艦ミサイルが4発搭載できることを前提とした線付きの運用(戦略)となっているのだと思います。

「防衛白書」などで確認はしていませんのであくまで私見です。

まずは、飛んでいるF-2の写真から、航空自衛隊築城基地のWebサイトからの引用です。

機首(F-2先端部分)にはレーダーが搭載されていますが、F-2は横に幅広いカモメのような形状となっています。飛行機と電車の違いはありますが、東北新幹線のはやぶさの先頭車両と似ていると思います。

図1 F-2:飛行状態その1

図2 F-2:飛行状態その2

F-2の機体の特長を列挙します。

  • F-2の主翼面積は、F-16の主翼面積よりも約25%拡大
  • 主翼が大きくなったことで、F-16よりも多くの内部燃料を搭載可能となり、かつ、2つの武器格納庫を確保
  • 主翼下部構造にグラファイトエポキシを使用する最先端の共硬化型複合材技術を採用し、軽量化を図りながら強度を最大化
  • F-2の胴体はF-16よりも約430mm(約17インチ)長い。
  • 水平尾翼も大型化

制御システムなどの特長について列挙します。

  • フライ・バイ・ワイヤ式の飛行制御システムや統合型電子戦システムなど、F-2の革新的なシステムの多くは日本で開発
  • F-2は生産型戦闘機として初めてAESA(Active Electronically Scanned Array)レーダーを搭載
    • フェイズドアレイレーダーの様なものの様です。
  • 2015年には、F-2はロッキード・マーチン社の「スナイパー®アドバンスドターゲティングポッド」(照準ポッド)を搭載した8機目の機体プラットフォームとなりました。

F-2に搭載できるミサイルや弾薬は下図の通りです。

はかせ
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航空自衛隊の写真では、下図右端のミサイル以外を搭載しているものが少ないです。

図3 F-2:搭載可能なミサイルや弾薬

機体の大型化の理由の1つが空対艦ミサイル4発搭載を要求したことです。

F-16では空対艦ミサイルを4発搭載することができなかったため、F-16に比べて機体を大型化する必要があり、結果的に一回り大きな機体となっています。

はかせ
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対艦ミサイルと対空(対航空機)とでは、ミサイルの大きさも違ってきますので影響が大きかったのだと思います。

F-2は、F-16と比べると、胴体を延長、主翼や尾翼の大型化、エンジンをより強力(高推力)なタイプに変更、国産のレーダーやミサイルを搭載することで機体先端(ノーズ)も大型化、ミサイル等の搭載量と共に機体内の燃料タンクも増大など、結果的にうまくバランスよくまとめられたようです。

レーダーの捜索範囲やミサイルの射程の仕様は確認できませんでしたが、長射程であることは間違いなさそうです。

図4 F-2:空対艦ミサイル4発搭載状態

珍しい装備としては、下図のドラッグシュートがあります。

ドラッグシュートはパラシュートの様なもので、着陸時に使用することで、着陸距離を短くしたり、氷結した滑走路に着陸したりすることができます。

はかせ
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ドラッグシュートは垂直尾翼下部に設置されているようですが、写真がみつかりませんでした。

図5 F-2:ドラッグシュート

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参考:写真の引用先について

F-2の各写真にキャプションをつけていますが、リンク先をまとめておきます。

なお、画像はトリミングしています。

航空自衛隊

ホーム > 主要装備 > F-2A/B > 写真ダウンロード

航空自衛隊築城(ついき)基地

HOME > Gallery > Photographs

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次期戦闘機について(2021年2月現在)

日本の次期支援戦闘機については、以下の防衛省の記事が分かりやすいと思います。

防衛省・自衛隊:次期戦闘機の開発について

上記記事から以下に一部引用します。

我が国は、現在、F-35、F-15、F-2の3機種の戦闘機を保有しています。このうち、F-2の退役・減勢が始まる2035年頃から、次期戦闘機の導入を開始する必要があり、2020年度に開発に着手しました。

引用先:防衛省ホームページ「次期戦闘機の開発について」より

はかせ
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2035年頃から導入開始したいようですが、果たしてどんな形になってくるのでしょうか。

まとめ

F-2支援戦闘機(英語ではF-2 Support Fighter)は、航空自衛隊の多用途戦闘機です。

次期支援戦闘機の開発は2020年に着手されましたが、導入はまだまだ先のようです。どんな形になってくるのでしょうか?

ここでは、F-2について以下の項目で説明しました。

  • 開発の経緯:FS-XからF-2へ
  • F-2とF-16との違い
  • F-2の特長
  • 参考:写真の引用先について
  • 次期戦闘機について(2021年2月現在)
はかせ

振動制御を学ぶことで実験・計測とCAE、モデリングに制御と幅広く学び、出会いとチャンスにも恵まれ工学博士になりました。
CAEが珍しくない今だからこそ、実験やリアルなモノづくり体験が必要だと考えています。

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